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ユーザーレビュー ぼくだけのぶちまけ日記 スーザン・ニールセン / 長友恵子 これほど読むのが辛かった本はなかったかも知れません。途中まではこの本を読み始めたこと、購入したこと、存在を知ったことを後悔しながら読んでいました。ですが、手に取った以上最後まで読むしかないという覚悟は消えませんでした。雰囲気が少し変わってきたのはカレンとのエレベーターの中での会話から。そして4月10...続きを読む日以降は涙なしには読むことが出来ませんでした。 いじめは犯罪です。加害者は処罰されて当然です。学校のいじめであれば、発覚したら有無を言わさず加害者を転校させるべきです。フランスでは既にそうなっていると聞きます。子供の命より教師の保身が優先する日本で教育を受けさせる事はリスクでしかありません。お子さんのいるご家庭は就学期間中日本を離れることも選択肢のひとつだと思います。 Posted by ブクログ ぼくだけのぶちまけ日記 スーザン・ニールセン / 長友恵子 凄惨ないじめを受けて加害者を撃ち殺し自死した大好きな兄。仲が良く楽しかった家族もその日から苦しみ、変わってしまう。苦しみも悲しみも決してなくならず、それを抱えて思い出しながらも生きていくのが読んでいても辛い。 それでもちょっと変わった魅力的な友だちや隣人に出会って、重いものを抱えたままでも笑い合える...続きを読む歩みがあることに感涙。 Posted by ブクログ ぼくだけのぶちまけ日記 スーザン・ニールセン / 長友恵子 兄のおこしてしまった事件をきっかけに、13才のヘンリーは住み慣れた町を離れ、父親と2人きりで暮らすようになります。事件後兄は自殺し、そのため母も父もヘンリーも心に深い傷をおっています。ヘンリーはセラピストに勧められノートに自分の気持ちや起こった出来事を書き留めるようになります。次第に明かされる過去の...続きを読む辛い出来事と新しい友達との日々。それぞれの不安を抱える周りの大人たちとの関わり。様々な関わりのなかでヘンリーが自分の力で立ち直っていく様子に、読むのがやめられなくなってしまいました。 Posted by ブクログ ぼくだけのぶちまけ日記 スーザン・ニールセン / 長友恵子 古き良き、アメリカのロードムービーのように楽しめました。舞台はカナダですが…。 やさしいお兄ちゃんが、いじめられた末に学校に銃を持っていき、いじめっ子を殺して、自分も死んでしまう。残された家族のその後を描いたハードな設定ながら、出てくる人たちは、みんな個性的でチャーミングな人ばかり。痛みを持った人が...続きを読むやさしく、強く生き抜いていくさまに、心が熱くなる一冊です。 Posted by ブクログ ぼくだけのぶちまけ日記 スーザン・ニールセン / 長友恵子 4ヶ月前に父と二人だけでバンクーバーに引っ越してきた13歳(8年生/中学1年)のヘンリー。赤毛にそばかすがあって、低身長で太めなことを気にしていた。学校ではオタクでいじめられている中国系のファーリーと親しくなっていったが、極力目立たないよう、いじめの標的にならないように気をつけていた。 ヘンリーには...続きを読む2つ半年上の兄ジェシーがいて、中学入学直後に悪目立ちしたことから2年間ずっとひどくいじめられていた。そして、ヘンリーも一緒にいたときひどいいじめに遭ったことを契機に、父親のライフルでいじめの首謀者を殺し、自殺してしまった。それ以来、被害者家族は加害者家族となり、関係者のみならず地域の人たちからも嫌がらせを受けるようになった。母方の祖父母の家に身を寄せているときに父親はバンクーバーへの引っ越しを決意し、母親は同行しないことを事を決め、精神病院に入院したのだ。 ヘンリーとファーリーは共通の関心事であるプロレスを見に行くために協力してお金を稼ぐことにした。ヘンリーはそのイベントに入院中の母親をサプライズで招待して、険悪になっていた両親の仲を取り持とうと考える。 ところが、母親はヘンリーたちのもとへ行くことを拒み、ファーリーは稼いだお金を奪われてしまった。 恐ろしい秘密が明かされることを恐れ、そのために人と馴染むことを避けていた家族が、周囲の人々を理解しながら、支え合い、癒やし合っていく過程を、ヘンリーの日記を通して描く物語。 ******* ここからはネタバレ ******* 意外と珍しい、カナダ人作家によるカナダを舞台にした物語です。 13歳のヘンリーはとてもたいへんな状況に置かれています。 いじめの被害者だった兄ジェシーがいじめっ子(ヘンリーの親友ジョディの兄)を殺して自殺してしまったために両親とともに、加害者家族としてひどい扱いを受けました。 これだけで充分耐え難いできごとなのに、両親の不仲と離別もついてきました。 母親は銃の持ち主だった父親を責め、精神を病んで入院してしまい、ヘンリーは父親とふたり、誰も知らないバンクーバーに引っ越します。 さらに、父親は同じアパートに住むカレンと親密になり秘密を明かしてしまいます。 転校先では極力目立たないように気をつけていましたが、オタクでいじめられっ子のファーリーが近づいてきてクイズ研究会のチームにしつこく勧誘して来ます。それを鬱陶しくも感じますが、ふたりともプロレス好きなこともあって親しくなっていきます。 学校のビン・カンゴミを収集して得たお金で母も一緒にプロレス観戦に行こうと計画していたのに、母親は動こうとしないし、お金もいじめっ子のトロイに奪われてしまいます。 「加害者家族」というだけで、周囲からすべての怒りの矛先を向けられた家族の苦悩。 でも結局癒やしも周囲からやってくるんです。 一見イケてないファーリーは、お金持ちでも実は寂しい生活を送っていて、友だち思いのとってもいいヤツでした。 おせっかいな隣人アタパトゥさんは、実はヘンリー家族の悲劇を知った上で陰ながら支援してくれていました。 ケバいカレンでさえ、同様の痛みを知っていて、それを分かち合おうとしてくれていました。 ジェシーが殺したスコットの妹、ヘンリーの親友ジョディも、ヘンリーのことをずっと気にかけていました。 自分は事件の被害者だと思っていたヘンリーが、ファーリーの家を訪れた際に自分の恵まれていることに気づいていく部分がとってもいいです。 それと、アタパトゥさんが地味にいい味出していますね。 ラストでヘンリーが暴行を受けたことによって、母も同居するようになり、アタパトゥさんがお金を出してくれてみんなでプロレスも見に行けて、事件がバレてもみんな徐々に理解を示して/無関心になってくれて、いじめっ子のトロイも転校させて……と、うまく行き過ぎ感もありますが、それまでの部分がたいへんすぎたのでいいんじゃないでしょうか。 厳しい内容と、性的表現ではないけどシモネタ用語が書かれているので、中学生以上におすすめします。 Posted by ブクログ スーザン・ニールセンのレビューをもっと見る