いや面白かった、すごかった、文句なしの★5つです。
昨年に読んでいたのですが、読書レビューもしたく再読したのですが、よかったです。すごく理解が深まりました。実際に自分で何か行動に移せる(アウトプット出来る)かは不明ですが、読み終えての達成感がありました。 あとは、この本が読めるまでにいろいろと
...続きを読む個人的に勉強してきてよかったな、いきなりこの本を読むのは相当難しいんだろうな、とも感じたのが印象です。
私が営業で担当している企業様より「この本を軸に考えたい」と紹介をいただいたことがきっかけで読んだ本なのですが、改めてこの本に出会えてよかったと思いました。紹介してくださったご担当者様に感謝です。 しかしながら前述しましたが、この本を読んで手触り感を得られるには、相応の事前知識が必要なんだろうなと感じました。この本を読む前に自分が読んできてよかったと思う本は以下の通りです。
-東大准教授に教わる『人工知能って、そんなことまでできるんですか?』
-人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
-両利きの経営
-世界標準の経営理論
-シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成
-コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える
-アフターデジタル - オフラインのない時代に生き残る
-アフターデジタル2 UXと自由
上記をひととおりこれまで読んできた上で、今回の本を読ませていただいたので、(あとは実際自分がもともと計算機を扱ってきていたり、ディープラーニングを勉強してきていたり、DXを提案してきたりしてきた背景も当然あるのですが)、コンピュータがゼロイチで認識する層から人間の課題に直接接する層まで、というレイヤー構造の概念などは比較的理解ができました。読み終えて改めて表紙の写真を撮ろうと帯を眺めた際にウエディングケーキらしき概念物を表現しているところもなかなか味があるなと思いました。
解説でも冨山 和彦さんがおっしゃってましたが、わかりにくい概念を、極力わかりやすいメタファーとして表現していて読者への理解を進めようとしているところはよく伝わりました。
「天才西山圭太が、彼の数歩後からついてくる私たちにも分かるように親切に、しかも議論の質を落とさずに仕上げてくれたことに敬意を表するとともに、著述家としての彼の新たな才能を見たように思う。」
私も理解力が乏しいので完全に人に教えられるレベルまで至ったかというと疑問なのですが、「天才」に咀嚼していただいた内容を少しは吸収できたのではと感じています。 具体と抽象の行き来の表現や、AIにおける多層構造のディープラーニングの話・パターン認識の話、と読み進めてきたところでの『カレー粉』のメタファーは最も腹落ちしました。 ソフトウェアとか仮想化とかの話で「隠蔽する」とか「ラッピングする」とかの表現が用いられますが、『カレー粉』は、めっちゃありがたかったです。
読む前に一通り事前知識があったほうがより理解が深まる本ではございますが、非常に勉強になる本なので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。
ふせんはいろいろ打ったのですが三点のみ引用抜粋します。
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P39 日本の弱み、日本のカイシャのロジックとデジタル化のロジックがずれてしまっていること、を理解するために重要なのは次の点である。 つまり、「単純な仕掛けをつくると、目の前にないものも含めて何でもできてしまうかもしれない」という一般化・抽象化の思想が、デジタル化の根底に常にある、ということである。そして、そのことがもつ破壊的ともいえるパワーがデジタル化を貫いていて、現代にいたるまで、そして今後ますますそれが影響すを広げつつあるという点である。
P42 デジタル化のロジックとは「具体でなく抽象」だということ、つまり「この手を打てば目の前にある具体的なもの以外のものも含めて、何でも処理・解決できてしまうのではないか」という発想である。
P229
DXのスタートラインは、自社のシステム構成を理解することではなく、まず本屋の本棚の前に立って、その本棚を見渡して、それで自社のビジネスをどう組み立てるかを考えることであるべきだ。自社のシステム構成や業務フローの最適化から発想すると、自社の置かれた競争環境=白地図を見失うことになる。
P269 解説(冨山 和彦)より
もし、本書を読んでデジタル化の本質的な意味合い、そしてIXの衝撃の実相を理解できない、実感できない、さらには(危機感であれ、わくわく感であり)マインドリセットをできないとすれば、今後、ビジネスの最前線で闘い続けるのは難しいかもしれない。
この本に書いてあることが響くか⁉ そして心は奮い立ったか⁉ 本書は著者と私からすべてのビジネスパーソンへ、IX時代の生き残りと飛躍的成長をかけた応援的挑戦状なのだ。
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以上