損得や世間体や面倒くささなど、色々なことを計算しながら行動するのが、私たちには当たり前だ。
イワンや、国の人たちは、こういうことを全く考えない。それを「ばか」と表現されている。
「お妃さまも、ばかになりました。・・・国には、ばかだけが残りました。」
人が困っていたら、何も考えずに助けてあげる人たち。
...続きを読むこつこつといくらでも働く人たち。
すごい、と思いました。こんな生き方があるなんて思ってもみなかった・・・というか、現代の日本の大人の世界に生きていたら、退化してしまう感覚。そう、退化したのは私たちのほうで、彼らの正直さと勤勉さこそが崇高だと思った。
トルストイの文学はキリスト教を根底に書かれているが、宗教観にとらわれず、普遍的でとても大切なことを教えてくれる。この本の中のどの話もすばらしかった。