ユーモア小説ではあるけど、そこまで笑えるというほどではなく、普通にこの状況やばいし怖くないか?と思う場面も多かった。
ただ、他のドストエフスキー作品に比べると、思想や宗教についてのことがほぼ書かれてないし、難しさもないので読みやすい。
自尊心を拗らせに拗らせたフォマーが本当に読んでてイライラした。
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なんでも被害者面して「侮辱された!」とか言うのはすごく卑怯な攻撃の仕方だし、それに対して周りの人たちもそうだそうだ!ってなったり、謝ったりしてるのがこれまた余計にイライラさせる。
家のなかにあんな人がいたら心が休まらないだろうに、なんであそこまでフォマーにみんな執心してるのかわからなかった…。
他の登場人物もキャラが濃い人揃いだったけど、あまり出番はなかったりしたのでもっとその人たちについて読んでみたかったかも。
名前をやたら変えたがる召使のヴィドプリャーソフや、素直で天真爛漫そうなぽやっとした感じの美少年召使のファラレイについてはもっと色々書けそうではあったし、個人的にはもっと彼らについて読んでみたかったなぁと。
あのドタバタ感からあのエンディングにもっていくのはすごい力技というか、エッ!?とはなった。