借りたもの。
2020年のパンデミックで国をあげてAIを活用しマスクの配給を迅速に行うシステムを構築したタン氏。
氏が考える、社会に与えるデジタルとAIの可能性――利他的、公益性――を語る。
実現するためには、自発的な利他主義が必要であることを説いているようにも感じた。
いや、むしろオードリー・タン
...続きを読むというカリスマがITトップにいるからこそ、目的がはっきりとしており、故に国民が協力しているようにも思う。
自身の半生とデジタルに纏わる学習、台湾の歴史を交えながら、デジタルの変容を語っている。
「AIと人間の関係は、ドラえもんとのび太のようなもの」 → AIは人間の説明責任…「何故、そうしなければならないのか」という目的の明確化。
それはデザイン思考に通じる。
そうしてAIを活用・協働し、誰もが心にゆとりを持てる社会をつくる。
「Fast(素早く)」「Fair(公平に)」「Fan(楽しく)」といった「3つのF」というインパクトもあるキャッチフレーズを掲げ、ブレない軸とするデザイン(設計)思考。
デジタル、AIの可能性に対する先見性もさることながら、グローバリズム社会での働き方、分断と対立の危機の中で別の道を提示する希望のようにも思えた。
台湾が移民国であり、それはかつてのアメリカが実現しようとした理想でもあるように思う……アメリカは何だかんだで分断と対立で揺れつつ均衡を保つことを是としているとはまた違う、成熟した資本主義、民主主義を目指そうとしているような。