アメリカの政党政治の淵源から現代までの過程が分かる本。
例えば、以下のようなことが良く分かって良い学びになった。しかし、新書だからか遊びが無く、中々読み進まず、読み終わった頃には疲れ果ててしまった。
・建国者たちは党派制に反対していたが、連邦政府にどこまで権限を認めるかで、連邦派と共和派で対立し
...続きを読むたとこから党派制が始まる
・南北戦争の北部は、共和党のリンカーン大統領。このため、統一後も南部は民主党を旗頭として黒人解放に抵抗。この頃は、共和党の方が進歩的
・しかし、100年前と比べて大統領選における民主党・共和党の支持基盤が真逆になっている。共和党は徐々に財界と結んで保守的に、民主党はリベラル寄りに
・南部民主党ってどんなグループだったのか(反リベラルの南部白人層)
・ゲリマンダリングが出てきた背景(農村部に強い共和党の影響)
・たまに第三勢力も出てくるが、二大政党によって政治制度自体がそれを前提として作り込まれていること
・とは言いつつ、政党の中央権力は強くなく、党議拘束や資金提供も限定的。自分の力で地元でのし上がることが前提の柔構造。このため、党議よりも支援者、地元アジェンダに縛られがち。トランプが突然共和党の大統領候補として出れたのもこういう背景。(日本では、自民党でキャリア積まないと総理は無理)
・両党は思想的には、大きな差が無かったが、ここまで国が分断したのは冷戦後の新現象であり、それまでは共和党と南部民主党などのように党派を超えた連携が珍しく無かった。
・最近の左右分裂で結果的に党の方針と議員の方針が一致してきている。