作品一覧 2023/12/20更新 きらめく共和国 試し読み フォロー 小学館世界J文学館 プラテーロとぼく 試し読み フォロー ハリケーンの季節 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 宇野和美の作品をすべて見る
ユーザーレビュー ハリケーンの季節 フェルナンダメルチョール / 宇野和美 魔女殺し の真相。 と言ってもミステリーの範疇に収まらない。 メキシコのある村を覆う絶望。 そこで暮らす人々には日常だとしても、かなりヘヴィな日常。諦念。 胃にずっしりくる。 Posted by ブクログ きらめく共和国 アンドレス・バルバ / 宇野和美 『ある町にどこからか現れた、理解不能な言葉を話す子どもたち。奇妙な子どもたちは、盗み、襲い、そして32人が、一斉に死んだ。』 本書の帯に書かれたこの短い文章が、物語で起きる全てのことを端的に表し、事件の渦中にあった1人の人物が22年後に述懐していく構成となっています。 うつくしい亜熱帯の国の景色と...続きを読む貧困問題を抱えるサンクリストバルは、架空の都市でありながら私たちの世界にも必ず存在する場所です。つまり存在しない物語でありながら、32人の子供たちを産む土壌はこの世界に存在するのです。現代への予言とも呼べるかもしれません。 サンクリストバルの貧困は日本の中の貧困とは性質がまったく異なります。最初に出版されたスペインでの立ち位置と、日本人が受け止めるこの物語の手触りはギャップがあるように思います。 帯の文章がまるでホラー小説のような恐怖感を駆り立て、得体の知れない異国の子供たちが恐ろしく感じるのは日本人ならではの捉え方かもしれません。ですが語り手が数十年昔の出来事として語ることから実録風フィクションともちょっと一線を置いており、そういった怖いもの見たさの読み方でも楽しめる作品だと思います。 また、最後まで読むとこの本の装丁の素晴らしさ(帯の下にも小さな秘密が…)がお分かりいただけるかと思いますので、物理的な本として手に取って頂くことをお勧めします。 Posted by ブクログ きらめく共和国 アンドレス・バルバ / 宇野和美 架空の街とそこを流れる大河と隣接するジャングルを舞台にある男の回顧録として語られるこの物語は一種、ファンタジーのような、それでいて犯罪事件録にも読み取れる。 小鳥の囀りのように~とも表現される子どもたちの言語のことや、並べられた彼らの遺体という表現から、謎を突き止めたくて読む手が止まらない。 街で...続きを読む暮らす親のいる子どもたちもその奇妙なある意味、毒を持つ集団へ惹かれてゆくのは容易に肯ける。 子どもたちはなぜ家を出たか、なぜコミュニティを造ったか多くは語られてはいないけれど大人の一人として考えを深めてゆかなくては。 Posted by ブクログ きらめく共和国 アンドレス・バルバ / 宇野和美 あらすじからホラー要素がある作品かと思いきやファンタジー要素が強い作品だった。 パンズ・ラビリンス的な「子どもしか知らない世界」のようであるけれども本当に何があったのかとかは語られないので、好き嫌いは分かれると思う。 ここまで極端な形ではなくても自分も子どもの時に大人たちには秘密の世界を作っていたこ...続きを読むとを思い出したり、自分はいつからそういう世界を持たなくなったんだっけ、と感傷的な気分になったりした。 Posted by ブクログ ハリケーンの季節 フェルナンダメルチョール / 宇野和美 メキシコの架空の村で起こった殺人事件を章ごとに一人の人物の視点から語っていくが、台詞も地の文もまぜこぜに改行なしで進んでいくかなり独特な構成。 しかも貧困、暴力、迷信、差別と思いつく限りのこの世の醜悪な部分が詰め込まれているので文量のわりに読みごたえはかなりヘビー。 これをよく翻訳して読み応えあるも...続きを読むのにしあげたな、と思う。 Posted by ブクログ 宇野和美のレビューをもっと見る