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ユーザーレビュー 「みんな違ってみんないい」のか? ──相対主義と普遍主義の問題 山口裕之 「正しさは人それぞれ」「みんな違ってみんないい」というような相対主義、「真実は一つ」という普遍主義のいずれをも退け、考えの異なる者同士がともに生きていくために、「正しさ」とは何か、それはどのようにして作られていくものかを、様々な学問のこれまでの議論を概観した上で考察。 本書の結論としては、「正しさは...続きを読む人それぞれ」でも「真実は一つ」でもなく、「正しさはそれに関わる人々が合意することで作られる」というものである。 元来自分は相対主義的な考えを持っていて、それこそが「正しい」とも思ってきたが、本書の中で、「正しさは人それぞれ」という相対主義は相手を思いやっているようで、相手のことを理解し自分のことを理解してもらおうとする努力を放棄しているだけという趣旨の指摘を受け、確かにそのとおりだと顔をはたかれたような衝撃を受けた。 本書では、筋道だって、「人それぞれ」というほど人は違っていないということ、そして、「道徳的な正しさ」あるいは「事実認識の正しさ」を人それぞれで勝手に決めてはならず、他者との関わりの中で「正しさ」というものが作られていくということが論じられており、納得性が高かった。 ただ、実際に「正しさ」の合意形成を図っていくのはすごく困難な道のりだとは思う。しかし、それを安易にあきらめて「正しさは人それぞれ」に逃げるのはやっぱり違うなと認識した。 Posted by ブクログ 「みんな違ってみんないい」のか? ──相対主義と普遍主義の問題 山口裕之 心地よく聞こえるフレーズが世の中にどういった影響を与えるのか 意味も影響も知ろうともしないまま使っていた言葉は沢山あります 自分自身も社会の一部であることは忘れてはいけないと感じた一冊 Posted by ブクログ 「みんな違ってみんないい」のか? ──相対主義と普遍主義の問題 山口裕之 丁寧に丁寧に「人それぞれ」に対する誤りを指摘し、著者の考える対応をしっかりと述べてある。 最後に書かれている《おわりに「人それぞれ」はもうやめよう》を読むと、ここまで読んできて本当の良かったと思う。 ついつい『人それぞれだけど〇〇だと私は思います』とか逃げ口上気味に書いてしまう事が多い自分。意識...続きを読むして合意を形成して行くようにしなくては。人はバラバラで生きて行くのでは無いのだから。 読書の流れとしては、この後「訂正する力」(東浩紀)を読み進めて行く予定。 Posted by ブクログ 「みんな違ってみんないい」のか? ──相対主義と普遍主義の問題 山口裕之 「みんな違ってみんないい」というフレーズに違和感をいだいていた僕にとって、違和感の原因が明確化できたと言える本。 本来、社会の同調圧力に抗うための言葉であったはずなのに、いつのまにか「お前はお前、俺は俺」という他者の関わりを拒絶するための便利な言葉に成り下がってしまっている。 章タイトルにあるよ...続きを読むうに、「『道徳的な正しさ』を人それぞれで勝手に決めてはならない」し「『正しい事実』を人それぞれで勝手に決めてはならない」と思わされる。 デモクラシーの本質は、熟議によって合意形成を目指し、最終的には多数決によって現時点で「正しい」であろうと思われることを仮説として進めて行く。間違っていたかもと思った時のために反対意見を温存しておく、というものだが、社会生活に関わる多くのものが同じような仕組みであるべきなのだろう。 Posted by ブクログ 「みんな違ってみんないい」のか? ──相対主義と普遍主義の問題 山口裕之 「正しさは人それぞれ」論や「言語が異なると世界の見方が異なる」説などを紹介しながら、「正しさ」がどのように作られるのかを解き明かしていく内容だが、説明の仕方が丁寧な日本語なのでよく理解できた.多くの思想家の引用も多く、当然さまざま言語で理解された上で日本語で説明されていることを思うと、非常によく勉強...続きを読むされていると感じた.それぞれの章のまとめが良かったので、抜粋して保存することにした. Posted by ブクログ 山口裕之のレビューをもっと見る