応援消費について、マーケティング論を中心にさまざまな観点から考察している。単にモノを買ったり被災地を訪れてそこにお金を落とすといったことだけでなく、贈与やボランティアにまで広げている。
とりわけ「ふるさと納税」にスペースを割いている。ふるさと納税は基本的には寄付行為であるが、返礼品を伴うため、目的
...続きを読むが手段となってしまっているということである。こうしたことから、ふるさと納税の問題点についても議論している。
こうした応援消費のかたちを、マーケティングを行う側の視点で考察しているのが興味深い。確かに、ヤフーの「エールマーケット」では、“買って応援しよう”としきりに強調しており、これは完全なマーケティングであるといえる。
こうしたことから、著者はマーケティング・パラダイムの変化と絡めて論考している。
内容については興味深いが、本書でいう応援消費と、マーケティング・パラダイムの変化との関連性がいまひとつ明確でない。著者自身まとめ切れていないのではないか。