中世風ファンタジーで、ヒーローが冷遇されている系のやつです。お話としては、エルカンの二人の娘を拾った経緯などから、ハーフェンで攻撃魔術が使えるようになる方法について聞き、三人で精霊に会う旅に出発するところまでです。
絵もお話も、なかなかいい感じじゃないでしょうか。絵柄は双子とクレイチェット先生が可
...続きを読む愛いので申し分なし。戦闘シーンもカッコよかったです。お話についても、術式の詠唱はかなり厨二病感あるものの、冒険ものとして結構王道なストーリーの導入で、この先の展開が楽しみな内容でした。
個人的に特に良かったと思う点は、主人公のエルカンが冷遇されていた理由とその解決方法が非常に納得できる点です。これ系のお話では、補助魔法が異常なまでに軽視されているとか、実は非凡な能力が眠っているのに誰も気づかないとか、その辺の事情を結構雑に消化しているものが多い印象です。しかしこのお話では丁寧に理由付けがされており、攻撃魔術が重視されている現在の価値観(これはよくある)があり、それら以外の魔術(デバフや空間魔術など)に素養がある人が活躍するための研究のため、主人公の特性を生かしたまま攻撃魔術を習得しようというわけです。この辺の話の組み方が丁寧で、非常に気に入りました。
次巻から精霊に会うための旅が始まりますが、どんな旅になるのか楽しみに読みたいと思います。