作品一覧 2024/01/24更新 悪童たち 試し読み フォロー 官僚謀殺シリーズ 試し読み フォロー 検察官の遺言 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 紫金陳の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 検察官の遺言 紫金陳 / 大久保洋子 うならせるほど、読み応えのあるミステリーでした。 著者は中国の人で、本作を含むシリーズは、いずれも映像化され高い評価を得ているようだ。 いきなりスーツケースを引いた狂ったような中年の男が騒ぎを起こし警官に拘束されるところから始まり、そしてそのスーツケースの中から出てきたのは全裸の男の死体だったとい...続きを読むうシーンという衝撃的な光景が続く。 否でも応でも、何事かと引き付けられてしまう。 権力者とそれにつながる者たちは、不正を知る或いは知ろうとする者たちを次々と殺していく。 そこに立ちはだかったのは、それぞれ専門分野に精通した正義感の強いエキスパートの監察医、警官、検察官、弁護士の四人。 とてもじゃないが、国家的権力を持つ者に勝てる訳はないのだが、文字通り身を張った策により、悪を暴いていく。 読みながらこれって中国ではさもありなんの話ではないのかなと感じていたが、巻末での編集者によるコメントには、次のような時代的背景があったことが書かれていた。 なるほどと思いつつ、この作者の身の安全が気になってしまった。 本作の最終章は、新聞やニュースサイトの記事として事件関係者が次々と不審死を遂げていることが語られる非常に不気味な演出となっているが、実際に周永康事件を巡っても、重慶市の公安幹部や、周の秘書の義弟で証券マンだった人物をはじめ複数の関係者が同時期に「自殺」や「病死」を遂げていることが新唐人電視台などで報道されており、周陣営による口封じだったと言われている。 そうした現実とのリンク、そして周の裁判においては報道統制が敷かれ、半ば秘密裏に処理されたこともあって、本作は読者に「実際の周永康事件の裏にも、こうしたまだ語られぬ事件があり、それを暴こうと立ち上がった誰かがいたんじゃないか」と想像させることに成功している。 それは、あるいは陰謀論的想像力を呼び込む危うい仕掛けであるとも言えるが、作者が本作を血縁的な復讐譚にしなかったことがここで効いてくる。多くの人が、社会問題が存在することを知りながらも「どうせ何も変わらないのだから、自分が被害者にならない限見て見ぬふりしてやり過ごした方が賢い」と思って、あるいは思わされて生きている。 Posted by ブクログ 検察官の遺言 紫金陳 / 大久保洋子 空は暗かった。いつになれば明けるのか、彼らにはわからなかった。 最後に現実の中国政府役員が1人捕まった話が挟まる事で、物語が終わったあとの重みが増した。 悪童たちからのシリーズで厳良が出てくる。 前作と共通してるのかなと思ったのは 物語の主人公がなし崩し的に関わって次第に存在感が大きくなっていくと...続きを読むころ、主人公サイドがチームになってること等。 前回の悪VS悪はただただ楽しかった。 今回の主人公たちが立ち向かうものが、1人では勝てないものなだけに、はじめからやめておいた方がいいにおいがプンプンしてる。 なぜ立ち向かい続ける力があるのか、その理由とかバックグラウンドが特に語られない。 何故そうまでして正義を求めるのか。 関わらずに忘れてしまえば、将来は約束されたも同然な2人がその立場を追われる身になったとしても、文字通り死ぬまで正義をなそうとする姿はまさに漢。めっちゃかっこいい。 Posted by ブクログ 悪童たち 下 紫金陳 / 稲村文吾 主人公が勝ち残って、お金も手に入れ、これからの人生は安泰になるだろうけど 本当に欲しかったものは何一つ手に入らず、全て自分の手で壊してしまい、ラスト1人で歩いてる所が虚しくて悲しい(´;ω;`) この本は厳良のシリーズ2作目らしい けど厳良はたまに様子を見に来るぐらいで、重要なことはしないから気...続きを読むにしなくて良かった。 Posted by ブクログ 悪童たち 上 紫金陳 / 稲村文吾 まず翻訳が素晴らしい、最後まで名前に読みを振ってくれてるから読みにくさが全くない。 そして中国が舞台だけど、設定に中国文化がそんなに出てこないから、途中で調べたり、どういうことか分かりにくいってこともないからストレスがない。 序盤立て続けに小さい悪事が連続で起きて、それがこの小説内では悪事を上手く...続きを読むする方が勝つという身も蓋もない宣言になってる。 騙されたり、人の悪意に気づかない方が悪くて それで殺されても仕方ないみたいな世界観。 めちゃくちゃ面白い。 途中のプープーが読んでた本が、この後の展開を予期させるのもいい。 主人公がサイコパスになっていくのかな! 楽しい! Posted by ブクログ 検察官の遺言 紫金陳 / 大久保洋子 構成も内容も全て素晴らしかった。前作の「悪童」も素晴らしかったが今作も奥深かった。権力を傘にきた悪い奴がとことん悪くて、そこを崩そうと人生をかけた主人公達が素晴らしいとしか感想はない。 華文ミステリが楽しみ。 Posted by ブクログ 紫金陳のレビューをもっと見る