作品一覧

  • バナナと日本人 フィリピン農園と食卓のあいだ
    4.0
    1巻902円 (税込)
    スーパーや八百屋の店頭に並ぶバナナの九割を生産するミンダナオ島。その大農園で何が起きているか。かつて王座にあった台湾、南米産に代わる比国産登場の裏で何が進行したのか。安くて甘いバナナも、ひと皮むけば、そこには多国籍企業の暗躍、農園労働者の貧苦、さらに明治以来の日本と東南アジアの歪んだ関係が鮮やかに浮かび上がる。

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  • バナナと日本人 フィリピン農園と食卓のあいだ

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    著者が他に書いたものから、何となくフィールドワークに基づく社会学的なレポートかと思っていたのだが、戦前の日本の入植も含めた企業の歴史も含めて、土地制度から解き明かすかなり重厚な書物だった。
    東南アジアの理解を深めるための一つの参照ケースとして。

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    2019年08月13日
  • バナナと日本人 フィリピン農園と食卓のあいだ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    フィリピンのバナナの生産者と、日本での消費者、さらにそれをつなぐ商社との関係を描いた本。

    だいぶ、昔の本なので、変化している部分も多いでしょうが、問題の本質的な部分は不変であると思います。

    先進国の資本が、日本の消費者に向けたバナナを、フィリピンで作らせる。
    そのために、地権を収奪し、長い間培われた農地を作り替え、文化を破壊し、多くの労働者を貧困に陥れる。さらに、農薬の利用などにより、現地の人々の健康を害している。

    それでも、国がもうかれば、いずれは貧困も解消される、というのが当時の開発の理屈でもあったのでしょうが、そんなこと到底望めない仕組みが二重三重に先進国資本によって仕組まれていま

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    2014年04月21日
  • バナナと日本人 フィリピン農園と食卓のあいだ

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    mixiコミュニティ「読書会◆アウトプット勉強会」内のトピック「BOOK BATON」にて、紹介されていた本。

    日本人にとって、もっとも身近な果物の一つ、バナナを軸にして、日本と産地であるフィリピンの貿易史について書かれている本。

    読んでみると、猛威を振るう多国籍企業と、支配、搾取、蹂躙されるフィリピン農業の実態が痛々しく描写されている。

    最も、恐ろしいと思ったのは、以下の箇所。

    「こうして、フィリピンと日本はつながった。だが、国家と国家ではなく国民と国民の関係として考えてみると、実際にバナナを作っているフィリピンの労働者と、これを食べている日本の消費者は分断されているといえないだろう

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    2013年05月11日
  • バナナと日本人 フィリピン農園と食卓のあいだ

    Posted by ブクログ

    この本の良さはまず、バナナという日本人にとっては身近な食べ物を題材にしている点であろう。フィリピンにおける生産者と多国籍企業の関係は必ずしもフィリピンに限った事ではない。他の多くの途上国で現地の人々が食することのない商品作物を生産している。だがそのほとんどは市場価格の不安定さのあまりに生産者の生活を苦しめるものとなっている。普段先進国に住む我々が普段気に止めない世界で起こっている現実を見つめ直す機会となる一冊。

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    2009年10月04日
  • バナナと日本人 フィリピン農園と食卓のあいだ

    Posted by ブクログ

    私の研究の方向性を導いてくれた本です。「あいだ」が大事なんです。今はトレーサビリティとかいいますけど、こういうトレーサビリティがアグリビジネスが展開する現代にもっとも重要な視点です。

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    2009年10月04日

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