「血が苦手な医学生の成長譚」と書けば、どこかで見たり読んだりしたよくある物語と思われると思います。
しかしながら、この作品には、医療ドラマでよく見るような、腕の立つ医師により患者が完治する、というようなシーンは一切出てきません。
それは、本作品が自己免疫疾患を主な治療隊hそうとする膠原病内科を舞台
...続きを読むとしているからです。
本作品の中でも触れられていますが、自己免疫疾患は現代の医療を持ってしても完治させることはできず、症状の寛解を目指すのが治療目標となります。
医学生なのに血が病的に苦手で医師に向いていないと言われ続けていた主人公は、とある事情から大学病院の膠原病内科に助手(パシリ?)として立ち会うことになり、目の前で繰り広げられる光景に戸惑い、自らの無知・無学を痛感し、「正解」のない現実に打ちひしがれる中で、多くのものを学んでいきます。
本作品の帯には、「膠原病内科は、患者の人生を背負う科なんだよ」と印刷されています。
これは作中に出てくるセリフですが、本作品は膠原病内科を舞台にすることによって、これまでの医療ドラマとは異なる切り口の作品となっており、感心しました。