日本農業がどのような変遷を辿り、今日に至るのか興味を持ったので読んだ。
補助金頼みの業界であるので経営意識が低く、他国と比較しても競争力が低いことは何となく理解していた。
本書ではその背景には、戦後の国が生産量を管理する方式が供給過多になったにも関わらず、農協の集荷するのが仕事であるという思考から仕
...続きを読む組みを中々変えることが出来なかったことが根本にあることを理解した。また、農協自体もバブル期に金融機関の斡旋から金融に注力し、本来の農業者の共同組織ということが薄れていたことも一因としてあった。
著者が仕組みづくりをしたことは大きな功績であるが、それを実現していくのは農業者であり、民間組織である。これまで国の保護を大いに受けてきたからこそ業界として未熟であり、ある意味伸び代の大きな業界であると感じた。