ユニクロがなぜ受けるのかを語りながら、戦後ファッションの流れ、服飾業界の流れが簡単明解に理解できる。
この本を読んで、なるほど、ユニクロの狙いは、世の中の流れと絶妙にあっているんだなとしみじみ感じました。
なぜ、今ユニクロが全盛なのか。
少し前は、ユニバレを気にしていた時代もあったが、いまやどの
...続きを読むファッション雑誌も「ユニクロでいいんじゃない」となっている。
本書にもあるように、ファッションに対して求めるものが変わっているから
「服が差異化の道具ではなく、共感の道具へと変わったことを示している。服を着ることで差異化するのではなく、お互いに共感したい。共感されたい。つながりたい。」
SNS時代になり、他人と差をつけるというよりは、共感される、つながるということが重点がおかれている。
その流で自分だけ特別な服を着て街に繰り出すという80年代DCブランド的な考え方ではなく、あえて差異を出さないシンプルな服装(ノームコアのような)がおしゃれという時代になっている。
シンプルな邪魔しない服。
それなりにデザインされていてシンプルで価格もお手頃。
ファストファッションは高いお金を払わなくても、それなりに小奇麗な恰好ができるように底上げした。
そして、ライフスタイルや暮らし方などの方にお金をかけることにシフトしてきている。
ファッション、流行はかつて、中央(パリコレなどのファッションの源)から発信され、末端の色々な地域が少し遅れて追いつくというメカニズムを持っていた。その仕組みによりつくられた流行は毎年変わり、服が売れ、ファッション業界が成り立っていた。
SNS時代はボトムアップの時代。
上記のような風上~風下のようなウォーターフォール的な流行がない時代に突入してきている。
その流れは社会の流れとも康応していいるし、なるべくしてなっているのだな。