新一万円札の肖像として選ばれた日本近代資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一氏の青年期を中心に半生を描いた一冊。
農民の子として生まれ江戸幕府の末期に徳川慶喜に仕えるところからヨーロッパでの氏の功績と繋がる出来事の数々、そして大政奉還を経て大蔵官僚から実業界へと転身して、現代に多大な影響を与える功績を残す
...続きを読むまでの波乱万丈な人生は読んでいて大いに刺激を受けました。
倒幕を決意して挫折した際の平岡円四郎との出会いや徳川慶喜への深い尊敬の念、井上馨、大隈重信、西郷隆盛など明治初期の歴史を語る上で欠かせない人物との交流など氏以外の人物像も本書を通して知ることができました。
農民として商業に深く関わり、ヨーロッパで発展した資本主義の姿を見て、日本の未来に危惧したことを感じ、そこから日本産業が発展する鉄道や郵便、銀行という現代にまで通じる制度や設備を多く作っていったことやそこに至るまでの体験や出会いを知ることができた一冊でした。