だいぶ以前に『サンダカン八番娼館』を読み終えていて、たまたま本屋で手にとった本作。
本棚を見ていただければわかる通り、堀川恵子氏のノンフィクション『原爆供養塔』を読んだことをきっかけに、このところ広島原爆について書かれたノンフィクションを集中的に読んでいたところだった。全くそれとは関係なく、手にとっ
...続きを読むたというのに、つい先日読み終えたばかりの『広島第二県女 二年西組』、山崎朋子は原爆投下わずか2ヶ月前に、奇しくもそのクラスを疎開で離れたというではないか!つまり私は彼女のクラスメイトたちの最期を知っているのだ…。こういう運命のタイミングとはなんなのだろう。クラスに在籍しながらも生き残り、ジャーナリストとなり級友の最期をまとめた関千枝子。違う運命を得てのちにノンフィクション作家となった山崎朋子。書き残す者に与えられた運命だったのだろうか。
その後、級友たちの生きられなかった戦後を生きた人生も波乱だ。
今でいう毒親に育てられ、奔放に恋愛をし、彼が一生を捧げた政治活動のために彼と別れ、また別の男に女の顔を傷つけられ…。
時代というのもあっただろうが、ちょっとした小説なんかよりはるかに波瀾万丈な人生。
思うままに生き、そのときやりたいことを選んだ。羨ましい。
後年、彼女と結婚相手の上笙一郎と付き合いがあった人物として、見覚えある名前が出てきた。
私の出た学校の初代校長だった。これもまた不思議な縁だった。