森ビル社長の著書
これまで都市や建築についてあまり深く考えたことがなかった。
ディベロッパーの仕事にも興味があった。
六本木ヒルズなどのヒルズシリーズ、森ビルナンバーシリーズなどを手がけた森ビルの
都市開発のコンセプトが記されている。
森氏は工業化社会時に根付いた働く場所と住む場所が分離
...続きを読むされている状態から
職住近接をテーマとして最近のヒルズシリーズ作りをしているようだ。
その実現の手段が垂直の庭園都市だ。また職住遊の一体化を提案している。
(これまでの東京である平面過密、垂直過疎状態を脱する。)
それを具現化したひとつが六本木ヒルズだ。
詳しくは本書を参照。
ビルというハードを作るのではなく、その街が社会に何を提供できるのかというソフトに非常に力を入れていることが伺わる。
さらにソフトから情報を発信するメディアとしての都市というのが非常に面白いと思った。(ヒルズ内の電光掲示板やディスプレイに流す映像などはヒルズ内で一元管理されており、その場所その場所で効果的な演出をしている。、またヒルズジャックと呼ばれるすべての場所で単一の情報を流すということも可能となっている。)
また人が魅力を感じる街として経済だけなく文化の中心地であることも目指している(現に、六本木ヒルズの最上階には美術館を設置している。)
ディベロッパーの仕事は10~20年近くかかる大仕事であり、このような未来を見据えた事業をするところに森ビルのオリジナルがあるのだと感じた。
クールなイメージのディベロッパーであるが土地の接収といった非常にドロドロした部分もあり現実の厳しさもよく分かる。
建築、デザイン、都市論といったものに興味がある方は楽しめると思います。