大好きジャンルの幻想小説。
不勉強ながらYahooで書評を読むまで存じ上げませんでしたが、この方は世界幻想文学大賞に7回、シャーリィ・ジャクスン賞に4回、MWA賞、ネビュラ賞など数々の受賞歴を持つ作家さんらしいのです。
表題作は幻想奇想的でありながら、中盤以降のサスペンス味も楽しい作品。
個人的に心
...続きを読むに残ったのは「ナイト・ウイスキー」。
この設定からして奇想味満点なんだけど、生物の死骸に生える「死苺」という植物があって、その果実から作られるナイト・ウイスキーは飲むと亡くした大切な人と夢で会えるという不思議なウイスキーなんですよ。
これを飲むと、なぜか樹に登って眠り、その夜の夢で今は亡き人との逢瀬が楽しめるんだけど、翌朝、その人達を回収する専門業者(?)がいて、その見習いの少年がこの物語の語り手。
本来は今は亡き大切な人と夢の中で会うだけの筈が、その愛の深さ故なのか、愛妻を亡くした男がなんと病死した妻を黄泉の国から連れ帰ってしまって…。
というのがあらすじ。
このお話、よかったなー。
あとは「イーリン=オク年代記」。
こちらは浜辺で子供たちが作る砂の城に棲む妖精の話なんですけどね、この妖精の寿命は城が作られてから満ち潮で城が壊れるまでの間。
この妖精の一生が綴られた日記が後世に見つかって…という話。
この短編集は2冊目みたいで、1冊目の「言葉人形」もぜひ読んでみたいと思いました。