かげはら史帆の作品一覧
「かげはら史帆」の「ベートーヴェン捏造」「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「かげはら史帆」の「ベートーヴェン捏造」「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
積読をしていたら、何と文庫化されてしまった。というわけで、読み始めたのだが、これが滅法おもしろかった。
ベートーヴェンといえば、いかつい目つきにモジャモジャ頭…。小学校の音楽室に必ずといっていいほど飾られた肖像画を連想する。そして、授業や書籍で語られてきた印象的な数々のエピソード。「運命はこうして扉を叩く」という台詞は、音楽に疎い私でも知っている。ところが、そうしたエピソードは、ベートーヴェンの秘書アントン・シンドラーによる伝記に由来し、実はそのほとんどが捏造されたものだった。
ベートーヴェンが若くから難聴を抱えていたことは有名で、コミュニケーションはノートへの筆談に頼っていた。ベートーヴ
Posted by ブクログ
宮部みゆきさんの推薦コメント「徹夜本です。」の帯文も強烈な印象の文庫新刊。
我々世代が子供のころに読んだ子供向けベートーヴェンの伝記は、交響曲5番がなぜ運命と呼ばれるかとか、不滅の恋人へのラブレターは誰に書いたのかとか、テンペストの命名由来とか、8番シンフォニー第2楽章がメトロノームを作ったメルツェルと関係があるだとか、あとなんといっても甥のカールの自殺未遂事件が、カールの悪行、放蕩癖などベートーヴェンの悩みの種の末の事件だったりとか、魅力的なエピソードにあふれてました。だからそういった知識で子供なりのベートーヴェン像ができあがったのだけど、そのほとんどが1人の男による捏造であり、その顛末を史
Posted by ブクログ
『ベートーヴェンの弟子』を名乗る男アントン・フェリックス・シンドラーが、いかにベートーヴェンのイメージを浄化し、捏造し、現代の時点からベートーヴェンを観る我々の目を欺いたのかを語ったもの。文体がフランクなので、アカデミックな論文や評論ではないが、少なくとも事実を扱っており、詳細な資料に基づいているので小説とも言い難い。シンドラーの伝記、と言ったほうが近いのかも知れない。
シンドラーの生い立ちから当時の時代背景、師匠と崇めるベートーヴェンとの出会い、弟子仲間と呼べるか分からない知人たちとの軋轢、ベートーヴェン親子の家庭崩壊と師匠の死を経て、崇拝するベートーヴェンの伝記執筆という名の闘争に発展