作品一覧

  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく
    3.8
    1巻990円 (税込)
    音楽史上最大のスキャンダル「会話帳改竄事件」。宮部みゆき氏絶賛の衝撃的歴史ノンフィクション、待望の文庫化! 現代に語り継がれるベートーヴェン像は、秘書により捏造されていた!? 「会話帳改竄事件」の真相に迫る、衝撃的な歴史ノンフィクション。「会話帳」とは、聴力を失ったベートーヴェンが周囲の人とコミュニケーションを取るために用いた筆談用ノートのこと。 100年以上にもわたり多くの人々を騙し続けた「犯人」の名は、アントン・フェリックス・シンドラー。音楽家でもあり、誰よりもベートーヴェンの近くで忠誠を誓い、尽くした人物である。なぜ、何のために彼は改竄に手を染めたのか? 音楽史上最大のスキャンダルの「犯人」・シンドラーの目を通して、19世紀の音楽業界を辿る。音楽ファンもミステリーファンも絶賛した名作がついに文庫化! ◎解説=栗原康
  • ベートーヴェン捏造
    4.2
    「運命」は、つくれる。 犯人は、誰よりもベートーヴェンに忠義を尽くした男だった── 音楽史上最大のスキャンダル「会話帳改竄事件」の全貌に迫る歴史ノンフィクション。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 【イントロダクション】 「事件」が発覚したのは、1977年――ベートーヴェン没後150年のアニヴァーサリー・イヤー。 震源地は、東ドイツの人民議会会議場で開催された「国際ベートーヴェン学会」。 ふたりの女性研究者が、ベートーヴェンの「会話帳」――聴覚を失ったベートーヴェンがコミュニケーションを取るために使っていた筆談用のノート――に関する衝撃的な発表を行った。 会話帳に、ベートーヴェンの死後、故意に言葉が書き足されている形跡を発見したという。 犯人は、ベートーヴェンの秘書、アントン・フェリックス・シンドラー。 ベートーヴェンにもっとも献身的に仕えた「無給の秘書」として知られた人物である。 ベートーヴェン亡きあとは全部で3バージョンの伝記を書き、後年の──あるいは現代における「楽聖べートーヴェン」のパブリックイメージに大きな影響を及ぼしていた。 たとえば、ベートーヴェンが『交響曲第5番』冒頭の「ジャジャジャジャーン」というモチーフについて「運命はこのように扉を叩くのだ」と述べたという有名なエピソードは、シンドラーの伝記を介して世に広められたものだ。 そんな人物が、会話帳の改竄に手を染めていたとなれば。 それはベートーヴェン像の崩壊に等しかった。 以降、シンドラーは音楽史上最悪のペテン師として、研究者や音楽ファンから袋叩きに遭うことになる。 だが、彼をいたずらに非難することは本当に正しいのだろうか。 シンドラーのまなざしに憑依する──つまりは「犯人目線」で事件の全貌を追うことによって、いまいちど、彼が「嘘」をついた真の動機を明らかにすべきなのではないだろうか。 生い立ち、学生時代の行状、ベートーヴェンとの関係。 ベートーヴェンの死後、会話帳改竄に至るまでの経緯。 罪を犯したあと、どうやってそれを隠しとおしたのか。 そして、100年以上にわたってどのように人びとをだまし続けたか。 それらを知らずして、音楽史上最大のスキャンダル「会話帳改竄事件」の真相に迫ることはできない。 音楽史上最悪のペテン師を召喚し、彼が見た19世紀の音楽業界を描き起こす前代未聞の歴史ノンフィクション ――ここに開幕。 新聞 ・「中日/東京新聞」 2018年10月28日付朝刊 /三品信氏(中日新聞文化部記者) ・「共同通信」2018年11月24日以降地方紙配信/江川紹子氏(ジャーナリスト) ・「読売新聞」2018年11月25日付朝刊/宮部みゆき氏(作家) 雑誌 ・「週刊現代」2018年11月17日号   ・「週刊文春」2018年11月22日号 ・「小説すばる」2018年12月号/栗原裕一郎氏(評論家) ・「音楽の友」2018年12月号/小沼純一氏(音楽・文芸批評家、早稲田大学文学学術院教授) ・「モーストリー・クラシック」2019年1月号/澤谷夏樹氏(音楽評論家) ・「週刊ポスト」2018年12月3日号/井上章一氏(国際日本文化研究センター教授) ・「ぴあクラシック」Vol.49 2018/19冬/橘ララら氏(ライター)

    試し読み

    フォロー
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

    Posted by ブクログ

    面白かった。途中からは一気読み。前半は、師匠に好かれていない可哀そうな付き人の話で同情を誘うところもあるのだが、後半はもうちょっと多様な見方ができる。読みようによってはピカレスク(悪漢小説)的でもある。ベートーヴェンの見方も変わるかも。

    0
    2023年12月13日
  • ベートーヴェン捏造

    Posted by ブクログ

    なんだこの本は!めちゃくちゃ面白いじゃないか!!

    あまり詳しいことはわからないけれど、クラシックは嫌いじゃないです。交響曲何番、とか言われてもパッと曲がわかるほどの知識は残念ながら持ち合わせていません
    なので
    ベートーヴェンに秘書がいた、なんてこともこの本で初耳

    最初は秘書、シンドラーの生い立ちが書かれていていまいち…でしたがベートーヴェンと出会ってからが面白い

    みんな、自分の尊敬する人には輝いていて欲しいですよね
    黒い部分なんて、見なかった、知らなかった
    そんなことにしてしまいたいですよね…

    気持ち、わからなくもない

    0
    2023年11月21日
  • ベートーヴェン捏造

    Posted by ブクログ

    積読をしていたら、何と文庫化されてしまった。というわけで、読み始めたのだが、これが滅法おもしろかった。

    ベートーヴェンといえば、いかつい目つきにモジャモジャ頭…。小学校の音楽室に必ずといっていいほど飾られた肖像画を連想する。そして、授業や書籍で語られてきた印象的な数々のエピソード。「運命はこうして扉を叩く」という台詞は、音楽に疎い私でも知っている。ところが、そうしたエピソードは、ベートーヴェンの秘書アントン・シンドラーによる伝記に由来し、実はそのほとんどが捏造されたものだった。

    ベートーヴェンが若くから難聴を抱えていたことは有名で、コミュニケーションはノートへの筆談に頼っていた。ベートーヴ

    0
    2023年11月19日
  • ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    宮部みゆきさんの推薦コメント「徹夜本です。」の帯文も強烈な印象の文庫新刊。
    我々世代が子供のころに読んだ子供向けベートーヴェンの伝記は、交響曲5番がなぜ運命と呼ばれるかとか、不滅の恋人へのラブレターは誰に書いたのかとか、テンペストの命名由来とか、8番シンフォニー第2楽章がメトロノームを作ったメルツェルと関係があるだとか、あとなんといっても甥のカールの自殺未遂事件が、カールの悪行、放蕩癖などベートーヴェンの悩みの種の末の事件だったりとか、魅力的なエピソードにあふれてました。だからそういった知識で子供なりのベートーヴェン像ができあがったのだけど、そのほとんどが1人の男による捏造であり、その顛末を史

    0
    2023年11月13日
  • ベートーヴェン捏造

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     『ベートーヴェンの弟子』を名乗る男アントン・フェリックス・シンドラーが、いかにベートーヴェンのイメージを浄化し、捏造し、現代の時点からベートーヴェンを観る我々の目を欺いたのかを語ったもの。文体がフランクなので、アカデミックな論文や評論ではないが、少なくとも事実を扱っており、詳細な資料に基づいているので小説とも言い難い。シンドラーの伝記、と言ったほうが近いのかも知れない。
     シンドラーの生い立ちから当時の時代背景、師匠と崇めるベートーヴェンとの出会い、弟子仲間と呼べるか分からない知人たちとの軋轢、ベートーヴェン親子の家庭崩壊と師匠の死を経て、崇拝するベートーヴェンの伝記執筆という名の闘争に発展

    0
    2021年08月03日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!