読み物として、FBIの立場で携わった交渉ごとのストーリーは面白いものでした。
また交渉時に表出する事象に対して数々の洞察があります。
① 相手が本当に要求したいものを理解する必要がある。誘拐犯が金銭を要求しても、テロ組織の活動資金にしたいのか週末のパーティで豪遊したいのかで、交渉の進め方(優位性)
...続きを読むが変わる。
(声、戦術的共感、ラベリング、要約=「その通りだといわせる」)
② 相手が常に主導権を握らせる(ように見せる)。こちら側が相手を理解している、という関係性を構築する。
(①+「ノー」と言わせる誘導)
③ こちらの「ゴール」にむけて、相手を誘導する。特に、「相手がこちらを理解して協力せねばならない」状況を作る。
(アンカー、狙いを定めた質問)
そのうえで『一般的なサラリーマンがビジネス本としてこの本を読む』という目線だと、
・かなり大きい交渉事(金銭が関連するもの)を想定されており、日常的な関係性構築に使うのは難しい手法では。会社間、部署間での交渉事には有用と思うが、近い組織や上司に対してなんでもかんでもこの内容を盛り込むと、なんというか、嫌われるのではないか。。。そのようなリスクに関しては書かれていない。(そういう読者は想定されていない?)
・少々内容が冗長に感じました。
会社間の交渉ごとにこれからあたる方などは、一読の価値がある本と思います。