ユーザーレビュー 人間に向いてない 黒澤いづみ 泣いてしまった。 読み始めの第1章の印象と読み終わった最後で180度ガラッと印象が変わる作品。 書き始まり方は異様な世界観で、現実からかけ離れている描写を理解する為に少々苦戦し、中には好まない文体だと思う人もいるかもしれない。 しかし読み進めていくと、異様な世界観であると思っていたものが、現代の世...続きを読むの中を示唆するようなセリフや心情、コミュニティの様子が主人公を中心に繰り広げられていて、最終的には自己投影までしてしまった。 発売日がコロナが流行り始め、私が読み終わったのがコロナが緩和してきた頃という事もあり、非常に感慨深いものがあった。 どんな姿であれ、親子や家族という繋がりは強いものなのだと改めて感じた。良い意味でも悪い意味でも。 Posted by ブクログ 人間に向いてない 黒澤いづみ ただのグロい、奇抜な本では無い。 例えば、病気で見た目が変わる者やその周りの反応などが連想された。 主人公の母親目線で話が進む。 主人公は変異性異形症候群という見た目がグロテスクや虫や、それらに近いものにある日突然変わってしまうという奇病にかかる。 変異性異形症候群にかかったものはその時点で死ん...続きを読むだものとされ、人権などは一切が奪われるため、殺されたり捨てられたりはざらだった。 親だからという理由で主人公を捨てきれない母親と、元から主人公に嫌気がさしていた父親が衝突する。 一見すると母親に問題がないように思えるが、実はエゴにまみれている愛情で主人公に、当たっていた。 昔の奇病が流行った時代にも、現代社会にも似たようなことはあるよなぁと思うことが出来る作品でした。 Posted by ブクログ 人間に向いてない 黒澤いづみ 一気読み。 終始信じがたく想像しがたいストーリーな上に、丹念な、「嫌悪」「不安」「憎悪」あたりの感情描写が心にきた。。。社会小説チック。 解説にある「えずいても読みたくて泣ける小説」という表現がぴったりだと思う。 わたしも何度も背筋がぞわぞわして本置きながら読んだのに、最後泣いた。 読んでいて気持...続きを読むちのいい話ではないけど、読んでよかった。もし身近な人や自分が異形になったらわたしはどうするんやろう。。。在るだけ、を中々認められないかもしれない。。 Posted by ブクログ 人間に向いてない 黒澤いづみ カフカの「変身」を「皮肉」の意味で捉えて書いたような内容。 魚のような生き物になった自分の子供を食べた話が衝撃的だった。自分がもしこの病にかかったら、直ぐに近くの山奥に捨てられるか、施設に送られ殺処分されるんだろうなぁと思いながら読んだ。 Posted by ブクログ 人間に向いてない 黒澤いづみ 読んだことないタイプの内容で面白かった... 「変異」の描写が妙にリアルで最初はゾワゾワしたけど、後半にいくにつれ優一への共感が止まらなかった。 私は引きこもりではないしちゃんと学校にも通っているけれど、家での居場所がないって感じたこともあるし別に生きてなくてもいいんじゃないかって思ったことも何度も...続きを読むあるから優一に感情移入してしまった。 今までの人生ずっと他人と比較されたり、順位つけられたりそのことで一喜一憂してきたから、誰かに必要とされているって感じることは大事なことなんだな~って感じた。今のところまだ必要とされてる!って身をもって感じたことってないけれど。 Posted by ブクログ 黒澤いづみのレビューをもっと見る