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母子二人暮らしのアパートで発見された、女性の変死体。亡くなっていたのは母親、そして殺してしまったのは、日々虐待を受けていた小学生の娘だった。事件以降、“人”が変わったような言動をとりはじめる少女。何かが、おかしい。原因は過度の精神負荷による、解離性同一性障害……多重人格のせいなのか。では――「私の中にいる」のは、誰? 『人間に向いてない』で注目の著者が、読者に突きつける社会の底。
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Posted by ブクログ
全体的に暗いトーンでテーマも重く好みではないはずだが、何故か一気に読んでしまった。 主人公の内面の本当に少しずつの変化が、嬉しくはある。また後半は周りの人達に恵まれ、向き合いたくない過去の自分と向き合うところは応援したくなった。 ただ虐待する気持ちに共感はできない。読んでいて辛かった。こう感じら...続きを読むれる自分が恵まれた環境だというだけなのかもしれない。
我が子である萌果に虐待を繰り返す佳奈…ある日突発的気がつくと佳奈が頭を打って死んでいた…。元々大人しく内向的であった萌果だったが、事件後は人が変わったかのように反省の色も見えず反抗的な態度になったこともあり、児童自立支援施設で過ごすことになった…。いったい何があったのか、萌果は萌果ではないのか?…。...続きを読む 内容が内容なだけに終始重い気持ちで読みすすめました。この物語の救いは、施設を変わることでかけがえのない出逢いがあったこと…自身を見つめ直せたことで、その後の人生を誠実に生きていくことこそ贖罪にあたるという思いにたどりつけたことですね!これからの彼女の人生が、明るいものでありますように…そう願わずにはいられません。
デビュー作『人間に向いてない』が良かったので、二作目に当たる本作も期待していたが、結論から言うとやや消化不良。 虐待を受けていた小学5年生の少女が誤って母親を殺してしまう序章で心を鷲掴みにされ、その後に続く児童自立支援施設での職員とのシーンもスリリングで先が気になる展開。 少女の中に存在している...続きを読むのは羽山萌果本人なのか、それとも別人格なのか。 「私の中にいる」正体が誰なのか気になり読み進める。 頻繁に取り上げられる虐待の連鎖に解離性同一性障害を絡めたストーリーは新鮮ではあるけれど結末に更なるインパクトが欲しかった。
読んでいて心が押し潰されるようになる描写もあり、暗い気持ちになりました、辛い…。ついこの前、韓国映画の「トガニ」を観たばかりだったので、両者に共通するものを感じました。児童虐待は目を背けてはいけない問題ですよね。 結局、萌果は誰なのでしょうか。多重人格?それとも…
* 虐待を受けて育った萌果は、正当防衛で母親の 佳奈を殺してしまう。 事件後の萌果は、これまでの内向的で大人しく 暗い様子から攻撃的で粗野に変わっていた。 児童保護、更生の為の学園で萌果は出会う人との 関わりのかな自分を内省していく。 萌果の中はいったい誰なのか。 自分を見つめ直す萌果の口から思い...続きを読むがけない 打ち明けがある。 現実世界で起こしてしまった事件、 その罪を背負い、引き受けた生を背負い 誠実に生きていく事が贖罪ではないか。
私の中にいる 黒澤いずみさん。 とても、不思議なお話でした。 家庭環境。ネグレスト。虐待。 負の連鎖。 虐待された子が、親となり、 同じことをする。 本の中に、 羊の絵本。 というお話が出てくる。 奥深いお話。 結末のない、模範となるべき正解が存在しない物語。それは、まさしく、人生と同じもので...続きを読むあるともいえた。 いろいろ考えさせられる本でした。 環境によって、 とても酷い負の連鎖になることもある。 でも、 出会った中で、手を差し伸べてくれる人達もいる。 考えさせられた本でした。 罪に対する1番の贖罪とは、 誠実に生きて死ぬこと以外にないと思う。 償いの意識を持ち、自分が最も善いと思う行いを続けていくことが、贖罪。
『人間に向いてない』で衝撃のデビューを果たした黒澤いづみさんの2作目。前作では引きこもり、本作では児童虐待と、現代社会(それも家庭内)の暗部を題材に小説化する手腕は見事で、今回も引き込まれた。10歳の少女が虐待から逃れるために誤って母親を殺してしまうが、直後から彼女の言動に変化が起きる。少女になにが...続きを読む起きたのか、彼女の中になにがいるのかを探りながらの読書となるが、真相とその後の展開は想像を超えてずっと重いものだった。
黒澤さんの作品を読んだのは今回が初めて。 帯とあらすじから重たくなることは予想していたけれど、なかなかにして致命傷な一冊だった。 良くあるパターンの「救われて一件落着」って結末にもっていかなかったところに凄く魅力を感じた。 毒親はどこまでも連鎖することを強烈に突きつけられた。 その反面、出逢う人によ...続きを読むって良い影響も生まれるという希望も垣間見ることができた。
・失われた命を別の命で贖うことはできない。罪を犯した者は誠実に生きて生をまっとうするのが償いである。というのを改めて認識した話。 ・死んだ母親の人格が娘に乗り移った?(解離性同一性障害?)なのかは深堀されなかったけど、つまりはそれだけ主人公の萌果の精神的ショックが大きかったわけで、そうそう簡単に解...続きを読む決する問題では無いですよ、という事なのかな。 ・そもそも事件がきっかけで人格が変わったのか。本当は殺す前から変わっていた可能性も無きにしも非ず ・帯の「致命傷必須」まではいかなかったけど、深堀したくなる小説
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