作品一覧

  • 一本の線
    4.0
    1巻880円 (税込)
    98歳を超えてなお、旺盛な制作意欲を持って絵画に取り組む著者が、若き日の懊悩や時代に翻弄される人生について、ウィットと哀しみにあふれる文章で綴る日々のかたち。 福岡県飯塚市、筑豊の炭鉱を経営する家に生まれた著者が、東京美術学校めざして一人上京し、地下鉄銀座線の開通にわく東京で、「エカキ」となっていく自分を振り返った自伝的読み物。 戦争へと向かう日々の中で、藝大生として送る日々の暮らしののどかさ、藤田嗣治や今西中通との交流、坂本繁二郎の想い出。戦争のまっただ中にあっても、想いを告げる苦しさと憧れの女性への思慕にもだえる悩みは変わらない。27歳までの青春の懊悩を綴る。
  • みんな忘れた
    -
    1巻1,584円 (税込)
    97歳、今日も描き続ける洋画家の、22の無伴奏の記憶── 100年近い歳月に日本やパリでふれあった22人との交遊を、卓越した感性と描写力でつづった底光りするエッセイ。前作『とこしえのお嬢さん』につづき、永遠に埋もれかけた記憶のたぐいまれなる交遊の記録。カラー口絵付。
  • とこしえのお嬢さん
    -
    1巻1,584円 (税込)
    94歳になる、戦後を代表する画家で名文家の著者が、日本やパリで出会った有名無名の21人を、鋭い観察眼と独自の表現で描く名エッセイ。記録としても貴重。カラー口絵8ページつき。
  • 一本の線

    Posted by ブクログ

    日曜朝のNHK「日曜美術館」でこの画家のことをもっと知りたいと思った。本屋で画集を開くことはあったが、わからない絵ばかりが並んでいた。今回、達意の随筆で、そのわからなさの理由が少しだけわかった。この画家の文章に耽溺する1週間だった。

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    2014年05月29日
  • 一本の線

    Posted by ブクログ

    平素で素朴な文体なのに、深みが感じられるエッセイ集。
    前半は、友人や先輩などとの交友回想録。フランス在住中に出会ったかなりの奇人たちとのやり取りが、ドラマさながらに語られている。後半は1976年に地方新聞の夕刊で連載したコラム。こちらはユーモアとペーソスを交えた自叙伝と言った風だ。
    読んでいても決して「文才がある」という印象を受けるわけではないのに、深みがあって心に残る。画家ならではの視点で語られる話ももちろんあるのだが、深みの理由はおそらくそれだけはない。
    軽い書きぶりの中、時折り顔を出すハッとさせられるような指摘。それが物事の本質、人間の本質をかなり突いていることがその理由だろう。軽い文体

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    2018年11月18日
  • 一本の線

    Posted by ブクログ

     僕は野見山暁治という人物について知らない。

    ただその名を耳にし、1枚の絵を眺める機会があったからこそ、手に取った1冊。

    彼にまつわる人々と出来事が
    野見山暁治という人物をカタチ作っていた。

    戦争、病気、モラリスト、妹の家の居候、絵描きという職……。

    ひとつひとつのエピソードがまるで、筆でなぞる1本の線のように、彼の姿を描き出す。

    臆病な少年で、少し頑固な老人で、自分勝手さとそれと相反するような後ろめたさを秘めた人物。

    もう何枚か絵を観てみたいと思った。

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    2015年12月08日

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