作品一覧
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3.5犯罪歴のある患者を収容するビーチウェイ重警備精神科医療施設は、不穏な空気に覆われていた。ヴィクトリア朝時代に救貧院だったここには、かつて残忍に患者を支配した寮母の亡霊が出没するという噂があった。そこへある夜、不意の停電とともに、自傷行為の絶えなかった患者が死亡したことから、施設の危うい日常は崩れ去る。患者ばかりか職員までもが亡霊の噂に怯え、何かを目撃したと言い出すものまでが現われたのだ。単なる妄想か、超常現象なのか、あるいは? 上級職員のA・Jは、最近退院したばかりの、ある患者が舞い戻り関与しているのではないかと疑うが、上層部を気にする院長のメラニーは事態への対応を渋る。悩んだ末にA・Jは、独断で警察のキャフェリー警部に相談するが……アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞に輝いた『喪失』に続き、サスペンスの新女王たる実力を見せつける話題作!
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
英国の警察には潜水捜索隊というものがあるのか。エイボン・アンド・サマセット警察の潜水捜索隊長である女性刑事フリー・マーリーは、そのクール・ビューティぶりで、どこかキャロル・オコンネルの印象的なシリーズ・ヒロインであるマロリーを想起させる。そしてその陰の部分の深さでさらに印象を深める。まずこの作品を分厚いものにしているのは、多くの脇役たちのキャラクター造形なのだが、このフリーという女性にはとても惹かれるものがある。ザイルをセットして独りケイビング捜査に果敢に挑戦する捨て身の冒険シーンなどは血湧き肉踊るスリルの基本形みたいで、喝采を送りたくなる。
一方で、動というより静のイメージが強いシリー -
Posted by ブクログ
読み応えのあるスリリングなミステリ。
車が強盗され、後ろの席には11歳の少女が乗ったまま。
カージャックが目当てなら、足手まといになる子供はどこかにおいていかれ、まもなく発見されると思われたが‥?
子供は見つからず、緊迫した展開に。
キャフェリー警部シリーズ5作目だそう。
評価が高いので、初めて読んでみました。
この作品からでも読めます。
ブリストルのジャック・キャフェリー警部は、重大犯罪捜査隊の指揮を執っている。
スーパーの駐車場で、車が奪われた現場の緊迫した様子から、一気に引き込まれます。
フリー・マーリー巡査部長が、キャフェリーがロンドンから赴任する前に、似た事件があったことを指摘