今、AIやロボットが、世界的な規模で経済、ビジネスを急速に変えている。こうした技術の進化とグローバル化がもたらす、破壊的変動について解説した書籍。
グローバル化は従来、モノづくりの分野に関わる問題だった。しかし、通信技術やAIなどが進化した今日、グローバル化による影響は、サービス職や専門職にも波及
...続きを読むしつつある。
情報通信技術を利用して遠隔地で仕事をする労働者を「テレマイグランツ(遠隔移民)」という。先進国のサービス・セクターの労働者は、今後、遠隔移民との競争にさらされる。
欧米の銀行では「ホワイトカラー・ロボット」が働いている。労働者を代替する目的で設計され、20カ国語を話し、数千本の通話を同時に処理する。この状況は、本物の労働者と、思考するコンピューターとの賃金ゼロの競争を意味する。
遠隔移民のような新たな形態のグローバル化と、ホワイトカラー・ロボットのような新たな形態のロボット化(ロボティクス)の組み合わせを「グロボティクス」と呼ぶ。今日、
このグロボティクスは、世界を激変させつつある。
グロボティクスは、大規模な雇用喪失など、破壊的な変動を引き起こすおそれがある。今日の大手IT企業のビジネスモデルは、高所得国の労働者を遠隔移民やホワイトカラー・ロボットに置き換え、コストを節減する、というもの。
グロボティクス革命に備える上で「AIや遠隔移民と直接競争しない仕事を探す」「AIや遠隔移民との競争を避けられるスキルを磨く」「人間らしさはハンデではなく、強みだと心
得る」の3つが重要。また、AIに代替されたくないなら、仕事の中で、それを使いこなす方法を学ばなければならない。