時代劇ファン必携の書第2弾。2018年末の刊行なので、大河ドラマなら「おんな城主直虎」や「西郷どん」、朝ドラは「あさが来た」「べっぴんさん」などかなり最近の作品にも触れられているのがうれしい。作品名は出していないが某大河ドラマでロシアンルーレットをやってしまったのはまずかった、など必ずしも考証に従
...続きを読むって脚本を変えられるわけではないのだとわかる裏話が面白い。また、昔の人の美しい言葉遣いや、日常的に使われている語句が日本語として正しい用法かどうかも学べるし、根拠となる参考図書が山ほど紹介されていてとても得るものが多い本。
特に「若手のディレクターが昭和40年代の映像を見ていて、駅改札の鋏の音の正体がわからなかった」というエピソードが面白かった。そして古来の建築物や伝統芸能などよりも、戦時中の風俗や帝国陸海軍に関わることの方が知っている人が少なくなっており、資料として残していくことに大きな意義があるという著者の指摘に深く共感した。