前巻での夏帆さんの真意が分かるお話。なので、セットで読むことをオススメする。というより、そうしないと話が繋がらない。
また委員長・鳴子叶絵の男前振りが発揮された話でもある。
3学期の間だけという短い期間に入部した夏帆さんと珠緒先輩。
彼女たちの卒業式を無事に終え、ドイツへ留学するという夏帆さんの「
...続きを読む思い出」作りのため、卒業旅行を企画する迷い猫同好会。
しかし、これら迷い猫同好会へ入部から始まる一連の出来事が、夏帆さんが仕組んだ思惑であることに、誰も気づけない。
が、ただ一人、文乃だけが気づいた。バレンタインでの夏帆との一件を巧から聞くことで。
文乃の性格を利用し、言葉上手に巧を誘導し、巧もろとも千世が持つ「おともだち」を手に入れようとした夏帆の策略も、結局は様々な迷い猫を受け入れてきた巧自身によって阻まれてしまう。
自分が主役から、みんなが主役であることに気づかされたことで。
なお、家康の意外な一面を見ることができた夏帆さんとの会話は、結構心に染み入る、良いシーンである。
そして、サクラの季節を迎え、巧たちは2年生に進級する。