感性、個性豊かな4姉妹の一年の物語にして作者の自伝的小説。
中盤はやや中だるみ感があるが、第15章、電報あたりから一挙に緊迫し、その後のハッピーエンドまで一挙に読ませてくれる。
まず、四姉妹の性格や闊達さに惹かれる。そして家族は愛情に包まれ、読み手まで優しい気分にさせられる。父親が不在の設定も、帰宅
...続きを読むするハッピーなエピソード以外においても、母親の子供に注がれる愛情や毅然とした考え方を際立たせるうえでも功を奏していると感じた。いい人ばかりではなく、マーチ伯母のようなやや悪役キャラの存在も必要ですね。
帰った父親が四姉妹の成長を要約してくれるシーンは感動ですね。
150年前の超有名な小説なだけに時代背景にも興味が起きるが、開設でふんだんに記述されており、大変興味深く読んだ。
第4部まであるエピソードだが、この新約で読みたいと思う。
全くの余談だが、解説の中で日本語は他の言語に比べて変化のスピードが早いと書かれていた。この物語は明治維新に書かれたと言うが、例えば不思議の国のアリスの原文を読む機会があって今の言葉とそんなにも変わらないことに違和感を感じた。日本の文学は昭和初期でさえ文体がかなり今とは異なると感じるのは日本語特有なものなのだと得心した。