イタロ・カルヴィーノの作品一覧
「イタロ・カルヴィーノ」の「なぜ古典を読むのか」「マルコヴァルドさんの四季」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「イタロ・カルヴィーノ」の「なぜ古典を読むのか」「マルコヴァルドさんの四季」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
話の内容自体はごく単純だけどシビアな表現で書かれた文章です。気分転換に気軽に楽しめるかと思って読み始めたら、意外と考えさせられることの多い短編集だった。
作者による解説によると「産業社会」というあまい夢だけでなく、「いなかの生活」というあまい夢も、攻撃の的となっているそうで、「昔にもどる」ことができないだけでなく、その「昔」自体が、じっさいには存在したこともなく、幻想にすぎないとのこと。
マルコヴァルドさんの自然に対する愛着は、都会に住む人だけが持つもの、都会で自分のことを「よそ者」と感じているマルコヴァルドさんこそ、ほんものの都会人、という作者の言葉にすごく納得できた。
Posted by ブクログ
イタロ・カルヴィーノ1972年の作。ネタバレを回避してあらすじを書くのが不可能な作品ともいえるし、話の展開のようなものがなく、なにを書いてもネタバレにならないともいえる。いずれにしても、おそらく、何通りもの読み方ができる不思議な書。
フビライ汗に気に入られた(もしくは取り入った)マルコ・ポーロが旅行中に訪問した55の都市をひとつひとつ、フビライの前で話して聞かせるかたちになっている。ひとつひとつの都市の話は短く、また都市と都市の間につながりはない。小篇の集合といってよい。
読んでいるうちにわかるが、話に出てくるのはすべて架空の都市で、フビライやマルコが生きていた時代には存在しないようなもの
Posted by ブクログ
ここで紹介されている作品や解説は日本人には馴染みが薄いと思う。が、それ自体は問題ではない。
最新作のレビューではなくなぜ古典なのか、古典というものをどう捕らえるかが問題なのだ。
たしかに理解しづらくはあるが、カルヴィーノの古典に対する精神に触れられることは、日本においても素晴らしい特権である。
彼の気質をなぞりながら読書したいと願ってしまう。
池澤夏樹氏の善きおせっかいなカルヴィーノ擁護論。
それぞれ別個の古典作品が、読み手の中でつながって、あらたな物語を紡ぐ。
これぞ、古典多読の醍醐味!
「なっちゃん、よくぞ言ってくれました!」の拍手喝采である。