創作過程をのぞき見るというのはとても興味深く、まして取り上げられている作品が名作であるだけに、それを書き上げるまでの苦労などが目の前にさらされるとため息をつきたくなる。
深い理解とかレベルの高い成果とかは、安易な妥協や合意から生まれるものではないと理解はしているけれど、あれほどの傑作を生み出すため
...続きを読むには、才能のある者どおしのこんなにも激しい闘いが必要なのかと驚く。その闘いは知的で生産的なものの範囲を超えて、ほとんど相手の人格否定にまで及んでしまうのがショッキングで、正直何度も読むのがつらくなった。
最終的には、やっぱりふたりが強い友情と深い信頼で結ばれていることが感じられるのだけれど、それでもつらい。僕はこんな思いをしながらものを作りたいとは思えないけれど、世界にあるすばらしい作品は、個人の中であれ複数の人間の間であれ、このような闘いを経て生まれてくるのだし、だからこそすばらしいのだと改めて実感させてもらった気がする。