作品一覧 2017/01/13更新 荘子 古代中国の実存主義 試し読み フォロー 荘子 内篇 試し読み フォロー 列子 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 福永光司の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 荘子 古代中国の実存主義 福永光司 最近は、自分の内面を批評的な目で見て、勝手に傷つくことの多い日々でした。そんな中、精神科医にこちらの本を紹介して頂きました。 欧米の思想家の机上の哲学とは違い、荘子の思想・哲学は具体的で実践的であるため、大変取り入れやすく感じます。 人間は非合理的な存在であるため、合理的・分析的な思考は人間の精...続きを読む神を抉ると述べられています。 人間は渾沌な存在で定まった形をとらないことを認めると、自分自身を人の目や規範に合わせた形に成型する必要はないと改めて感じ、救われました。 生命なき秩序より、生命ある無秩序を愛していきたい。 Posted by ブクログ 荘子 古代中国の実存主義 福永光司 中国古代の思想家として知られる荘子の思想を「実存」の観点から解き明かした本。 荘子は春秋戦国時代の政治闘争が人を狂わせることを激しく認識していた。生者の世界は絶望、不自由、侵略、飢餓に満ちているのだ、と。彼の哲学はそんな悲惨な時代に「それでも生きていかなければならない」ということを前提に成り立...続きを読むっている。 だから、孔子など儒家とは異なり、相手が凡愚、小人であっても彼らが有意義に生きることを肯定し、人間のありのままを捉えようとした。 そんな彼が理想としたのは「真人」、「至人」という存在。何ものにも囚われない知恵は「真知」であり、それを会得した人間のこと。 自分が、相手がどうであれ現状をありのままの形で受け止めて確信を持つ。他人と共にありながらも、他人に流されず、一切を受け容れる。まさにニーチェの「超人」思想の先駆けと言える思想である。 他にも、 ・道徳は人間存在の実存に立脚し、機微を洞察していかなければ形骸化し、偽りとごまかしを強要するようになる。 ・「世俗の人はみな己に同じきを喜び、人の己に異なるを悪(にく)む」=世間の人は、人と同じであることを喜んで、違うことを嫌う。だからこそ異なる者同士の対立と闘争がやまない。 ・「兵を偃(や)めんとするは、兵を造(おこ)すの本(もと)なり」=戦争否定の議論は裏返された戦争肯定である。こういう「好戦的な平和主義」という矛盾した思想が生まれるのは、結局妄想である。 ここまで世界と、人間と真摯に向き合った思想家も史上稀有ではないだろうか。このような素晴らしい、一生をかけて体現したい思想に出会えたことに感謝する。 Posted by ブクログ 荘子 古代中国の実存主義 福永光司 [ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時...続きを読む間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ] Posted by ブクログ 荘子 古代中国の実存主義 福永光司 あとがきを読んで、荘子よりも作者の人となりに興味が湧いた。 荘子の哲学は面白いし、共感したり、なるほどと膝をうつところも少なくないが、ぶっちゃけ現実的ではない。宮本武蔵に似たようなぶっとんだところがあると思う、ある意味で。 この直前に加地伸行の儒教の本(やはり中公新書)も読んだが、二人の著者の性格が...続きを読む真逆すぎておもしろかった(書籍の質としては荘子がよかった)。 Posted by ブクログ 荘子 古代中国の実存主義 福永光司 ここに書かれていることは、 すごく親近感が湧くことでしょう。 古代に、このような思想を持ち、 混乱の世を嘆くものがいるとは… 特に出てくる内容、 古代だろうが、現代だろうが、 問題の根本はぜんぜん変わらないものですね。 言っていることは簡単で「流されない」ということ。 だけれども、流されやすいの...続きを読むも また人間であるということ。 もしも、本当に平和を望むのならば 人を思いやる気持ちがなければ けっしてありえないということ。 特に「流されない」部分は ああ、と思いましたね。 なんと自分もそうですが、そういうことが多きことか。 Posted by ブクログ 福永光司のレビューをもっと見る