作品一覧 2023/10/13更新 改革開放萌芽期の中国――ソ連観と東欧観から読み解く 試し読み フォロー 叢書 東アジアの近現代史 試し読み フォロー 日中の「戦後」とは何であったか 戦後処理、友好と離反、歴史の記憶 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 中村元哉の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 叢書 東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ 岡本隆司 叢書「東アジア近現代史」の第1巻として、豊臣秀吉の朝鮮出兵から日露戦争に至る清朝の歴史を通観。 著者も指摘するように、明朝の一元的な秩序・イデオロギーに抗して、多元勢力の強体制をつくりあげたものの、やがて画一・同化を強いる「近代」の到来に呑み込まれ、存在理由を失い去った清朝の歴史は、現代の東アジア情...続きを読む勢を考える上でも、みつめなおすべき歴史であろう。 著者の広博な研究成果を濃縮した本書の内容自体も非常に優れたものだが、著者の文体も、宮﨑市定などの過去の大東洋史家を彷彿とさせる名文で、それも素晴らしいと感じた。 Posted by ブクログ 叢書 東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ 岡本隆司 清は満洲人の国でありながら、明代の漢人の支配体制を利用し、新疆も含め、間接的な統治というか、連邦国家的な支配体制だったと理解しました。 やはり華夷秩序の思想が連綿と続いていることも分かりました。 Posted by ブクログ 叢書 東アジアの近現代史 第3巻 日本人の朝鮮観はいかにして形成されたか 池内敏 「叢書 東アジアの近現代史」の第3巻。江戸時代の日朝関係史を中心に16世紀末から20世紀初頭にかけての時期を対象として、日本人の朝鮮観がどのように現れ、推移してきたかを叙述。日本人の朝鮮観を固定的なものとして捉えるのではなく変化する(忘却されて再発見される)ものとして把握し、また地域的な偏差をともな...続きを読むうものとして把握している。 江戸時代から近代初頭にかけての日本と朝鮮の関わり、また、日本人の朝鮮観がどういうものであったかについてこれまで十分に知らなかったので、本書の内容は、とても(知的に)面白かった。特に、17世紀から19世紀にかけて、中国(清)・朝鮮・日本及び琉球との間に漂流民の相互無償送還制度が整備され、民衆にも浸透していた(漂着した朝鮮人漁民も「長崎」という言葉を出せば、帰国できることを認識していた等)ということに関心を持った。薩摩藩士安田義方の朝鮮漂着時の現地の人々との交流も興味深いものだった。 日本と朝鮮との交流、日本人の朝鮮観などについて、現在の視点から固定的に考えることの浅はかさを感じた。また、現在の自分達の物の見方・考えの一面性を認識するのに、歴史を振り返るということが重要であることを感じた。 元禄竹島一件等についても詳しく検討されており、現代の竹島問題を考える上でも参考になる内容だと思う。 Posted by ブクログ 叢書 東アジアの近現代史 第2巻 対立と共存の日中関係史――共和国としての中国 中村元哉 「叢書 東アジアの近現代史」の第2巻である本書は、1904年の日露戦争直前から1972年の日中国交正常化直後までの日中関係が対立と緊張の関係にあった約70年間を対象とし、日中対立あるいは日中没交渉ととらえられがちなこの時期の中国史を憲法と憲政を補助線にした共和国の歴史として描き直すことを意図している...続きを読む。 近現代中国史を振り返る上で、これまであまり顧みられることがなかった「憲政」という観点を持ち込んだことが本書の特色である。現在の共産党一極体制下の中国からは想像できないが、近現代中国において立憲主義を定着させようという動きが脈々とあったということを確認することができた。また、清末から民国にかけて一貫して美濃部達吉が注目され続けるなど、中国の憲政論において日本の影響が少なからずあったということも興味深かった。 Posted by ブクログ 叢書 東アジアの近現代史 第2巻 対立と共存の日中関係史――共和国としての中国 中村元哉 徳治から法治、仁政から憲政へと、中国が近代国家を模索しながらも、結局成し得ていない歴史を辿っています。 結局向かうべき方向が、共産党独裁という違った方向に行ってしまいましたが、西洋的憲政というのは、元々根付かないお国柄だったのでしょうか。 一枚岩でない中国の歴史は複雑ですね。 Posted by ブクログ 中村元哉のレビューをもっと見る