とても面白かった。
本書では、ポピュリズムを『既存のエリート層を批判することで人々の支持を集める手法』と定義付けしており、当たり前だけどポピュリズムだからといって必ずしも抑圧的であったり問題があるとは限らない。
ポピュリズムというのは民主主義の部分集合であって、問題が発生する時というのは、全体の一
...続きを読む部あるいは多数派が結集することで、彼ら自身も含めた共同体全体の利益を結果的に損ねてしまう場合である。
近ごろだとEU離脱やトランプ政権、もっと言えば先月31日の衆院選での維新の会の大阪での大躍進がそれにあたる。
本来の民主主義の崇高な()理念というのは、多数派によって、少数派も含めた多様性を尊重することだけど、ポピュリズムの台頭はマジョリティに紐付けされていないマイノリティは問答無用で排除しても、切り捨てた側は痛くも痒くもないという現状を顕にしている。
本書では、党組織や労組などに依存した既存政党が、無党派層の増大や組合加入率の低下によって機能不全に陥り、直接民主主義を主張するポピュリズムに振り回される様子が活写されている。
ヨーロッパでは特に比例代表制がポピュリズムの躍進に一役買っているという指摘も正しい。
エリートの方々はとりあえずポピュリズムを批判するのがお決まりになっているけれど、彼らの頭が本当に良ければポピュリズムにも対応できるのでは?と思う。
それが出来ていない時点でお察し…ってことだよね。
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