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Posted by ブクログ
「この少年たちは人間であるという恐ろしい病気にかかっている」
訳者後書きの一文がこの小説を端的に物語っている。性悪説の視点で描かれたというより、人間とはそもそも獣だという考え方なのだ。
まさに「人間は蜜蜂が密を作るように悪をなす」のだ。
粗筋としてはこんな感じ。
「飛行機の墜落で無人島に漂着した少年たちが、大人のいない世界で自らの獣性に目覚め、共同体から除外された仲間の殺戮を始める。」
閉ざされた世界で2つのグループに分かれて行き、それぞれ独自のルールが作られる。文明のルールを守りたいラルフと、サバイバルを楽しみたいジャック。多くの少年はジャック側につき、ラルフ側の仲間は追い詰められていく