作品一覧 2024/04/25更新 オリエントの舌 無料あり 試し読み フォロー 吉祥寺の小さな画廊の物語 試し読み フォロー 新装版ペルーからきた私の娘 NEW 試し読み フォロー 西瓜糖の日々 試し読み フォロー タール・ベイビー 試し読み フォロー ビッグ・サーの南軍将軍 試し読み フォロー 1~6件目 / 6件<<<1・・・・・・・・・>>> 藤本和子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー タール・ベイビー トニモリスン / 藤本和子 女性ノーベル賞作家の四作目。 白人の庇護を受けて育った娘と、黒人だけに囲まれて育った青年。男女の心の葛藤が良く表現されている恋物語…などという単純なものではなかったです。 文化的に異なる環境で育ったが故に、娘は相手を辛辣な言葉で非難したり蔑んだりしてしまいます。相手にも育ってきた環境や世界観がある...続きを読むなかで、白人世界で育ってきた価値観を振りかざし、ただ自分に迎合させようとするのは、いかがなものかと考えてしまう。そういった相手を尊重しない文化的な軋轢を男女関係を使ってよく表していると思います。しかも、それを白人と黒人ではなく、黒人同士で描き切っているのですから。 ただ、この小説は読書初心者や海外文学に不慣れな人は、読まない方がいいでしょう。いきなり人名が出てきて「この人誰?」となったり、延々と名前のわからない誰のことを言っているのだろうと思っていると、100ページ近くも読み進めてから、やっとその人の人名が書かれていたりします。集中して読書に没頭する時間が確保できないと、頭が浦島さんになってしまうかもしれません。エンディングもはっきりしないので、その辺りが気になる人には向かないかもしれないですね。 自分は、ハッとするような言葉もあり、読んで良かったと思っていますが、540ページもある本なので、注意点として書き記して置きます。 Posted by ブクログ 西瓜糖の日々 リチャード・ブローティガン / 藤本和子 「そういうのはずるしてる、というのじゃないのかな」 「風が起こって、窓がかすかに震えた。風で、脆そうに半開きになった砂糖」 綺麗すぎるイメージ 「わたしたちが恋人同士になると、かの女は夜の長い散歩をやめた、でも、わたしはいまでも散歩する。夜、長い散歩をすることが、わたしは好きなのだ。」 怖い ...続きを読むマーガレットが好きだった Posted by ブクログ 西瓜糖の日々 リチャード・ブローティガン / 藤本和子 牧歌的、といって良いだろうガジェットの中で行き交う現在はフィクショナルで至極自足している、かに見えるが、その円やかな事物の間隙から立ち上がってくる哀惜のノイズ、その鳴りが美しいような物語でした。冴えた月の円かさであるような。ソフトな手触りなのだが、明らかに、幽かに、かなしみを籠めてザラついている。か...続きを読むっこよかったです。 Posted by ブクログ 西瓜糖の日々 リチャード・ブローティガン / 藤本和子 発熱した状態で読むには非常に適した小説だった。筋らしい筋はほとんどない。ひたすらブローディガンの夢幻的世界観が詩のような文体で綴られている。何よりもページ数が少ないのが良かった。解説にもあったが、これを単にヒッピー文学として理解してはいけない。ことさらに提示されるのは楽園の中にあるかすかな不安であり...続きを読む、それは死の世界に近い。インボイルが主人公たちに見せつけようとしたのは、まさにこのことだったのだろう。ただ健康な状態で読めばまた感想が変わるかもしれない。あと、この文体でもう少し長いのを読んでみたいから、また別のブローディガンの作品を読んでみたいと思う。 Posted by ブクログ 西瓜糖の日々 リチャード・ブローティガン / 藤本和子 夢と現実の狭間を漂うような不思議な世界観。 みんな色々な感情に溢れ、今ここにいる人にもいなくなった人にも囲まれ、生と死、光と闇の中を行ったり来たりしながら生きている。よく分からないけど惹き込まれる。 Posted by ブクログ 藤本和子のレビューをもっと見る