ユーザーレビュー 詩という仕事について J.L.ボルヘス / 鼓直 隠喩にこそ言語の本質があるとでもいうように、その働きを矯めつ眇めつし見極めようとする。また物語の機能の根源には歴史性があるという風に、古典に幾度となく立ち返る。 謎を提示する、と本人の言うとおり、議論は明晰ではあるけれどクリアカットな結論に落とし込むためになされてはおらず、一読して理解した気にはな...続きを読むれなかった。 紹介される英語の詩がどれも素人目にも美しい Posted by ブクログ ブロディーの報告書 J.L.ボルヘス / 鼓直 乾き、こわばり、血の味、人間の体臭、闇。 『伝奇集』とは違う作家が書いているようだ。 現実を追究しているにもかかわらず、かえって現実から浮遊してしまう。 Posted by ブクログ 詩という仕事について J.L.ボルヘス / 鼓直 ボルヘスによる詩に関する話。詩に対して共感できることがここにはある。詩のよさ本来の姿といってもいいと思う。ボルヘスが先導役ならきっと詩を書こうと思う人は増えると思うな。そんな気がした。 Posted by ブクログ 詩という仕事について J.L.ボルヘス / 鼓直 ボルヘスは決して多くのことを述べているわけではないが、示唆に富んだ事柄ばかりを述べるため、豊富に世界が拡大していく。 ・生は詩から成る。 ・リンゴと口の接触が必要。 ・詩は一回限りの経験。 ・書物は美の契機。 ・詩とは何かを心得ているために定義できない。 ・隠喩……人間は断定よりも暗示を信じる。 ・...続きを読む数えられるパターンから無限に近い変奏。 ・未来においては状況や歴史や詩人の名前や生涯よりも、美そのものに関心が向けられるかもしれない。 ・日常的な言葉から、魔術的な源泉を、詩人は呼び出す。 ・ストーリーは信じられないがキャラクター(存在そのもの)は信じられる。ドン・キホーテ。ホームズ。 ・人間の一生は、自分が何者であるかを悟る一瞬につづめられる。→イエスにキスをするユダ。→裏切り者。 ・言葉は共有する記憶を表す記号。→読み手に想像させようと努める。→一種の共同作業。 Posted by ブクログ 詩という仕事について J.L.ボルヘス / 鼓直 詩論として、しごく面白い。 詩という謎 隠喩 物語り 言葉の調べと翻訳 思考と詩 詩人の信条 目次だけでもワクワクしませんか。 Posted by ブクログ 鼓直のレビューをもっと見る