99%が実話とも言われる、世界一の自動車メーカーをモデルにした話。おもしろい。
仕事への情熱が燃え尽きそうな時に読むと、火が付くかもしれない。
こんなに魅力的な人々がトヨトミ自動車にはいるのか、いたのかと胸が熱くなった。
一介のサラリーマンとしての人生でなく、
複雑な意思決定の仕組みを持つ中国、世
...続きを読む界の標準化機構、米政府、アメリカ世論との闘いなど、世界の荒波に揉まれてなお、誇りを捨てずに闘い続ける世界の自動車メーカーのロマンが描かれている。
そのたたかいかたも、実話と言われるだけに、ロビイング活動や中国での裏金パイプづくりなど、綺麗事だけではなく清濁併せ呑むかつ、5手10手先を睨んだ差配によって世界一へのステップを着実に登っていく。
読みながらリーダーシップとは何なのかを強く意識させられる。強い意志と考えを打ち出すこと、変化を恐れないこと、常に自分の哲学を持ち、自分の意見を持って前へ進むこと、そして何よりも人がついていきたいとおもうこと。
本作では敵のように描かれている、トヨトミの創業家によるプライドやお家騒動によって、成長にストップがかかる部分は、こんなしょうもないことが現実に起こりうるのか?という不思議な気持ちにさせる。
どんなおおきな話でも、そこに個人は存在していて、その感情は物事に大きな影響を与えうる。
一方、豊臣家のプレッシャーを感じながらも、
リーダーとしての器が足りていない豊臣統一がもがく中で、リーダーとしての成長を遂げていく姿は少し感動だったりするから不思議だ。
トヨトミ家の視点でも読めるし、周囲を取り巻く新聞記者視点、当事者社長、当事者部下など、どの視点からも状況を捉えられるようになっていて、様々な楽しみ方ができる本だと思う。