若い頃読んだことがあったような、知ってるようなつもりで読み始めたところ、
知ってるつもりの物語の、何倍も面白かった。
年老いた漁夫ののもとへ、緋色のマントを肩にかけ、白馬にまたがった騎士がやってくるところからはじまる。
若く美しい騎士フルブラントは、森の中で迷い、ここに辿り着いた。森の中には妖し
...続きを読むげな白装束の男や、醜い小人や子鬼たちが…馬を鎮めながら、白装束の男に追い立てられたるようにして森を抜け出た。
そしてこの親切な老夫婦のもとで、
"この世のものとも思われぬほど美しい金髪の少女”
ウンディーネと 宿命のようにであうのだった。。
この物語は、魂(こころ)とは無縁に育ってきた水の精の子ウンディーネが、フルブラントと出会い、愛を知り、魂を得てしまうが故に、不幸を知ってしまう物語。。
ウンディーネの生まれたての純粋な魂と、人生の波の中をだだよってきた、フルブラントとベルタルダの魂との対比が、物語を深く悲しくしていた。。