サイバー攻撃という事件をしばしば聞く世の中になってきた。攻撃対象は拡大しており民間、国、国際そして個人もというレベルで考えてゆかねばならなくなっている。
専門家は、「サイバー攻撃は、受けていることを気付かないでいる場合に攻撃は来ていないと感じるだけのこと」と表現しているともいう。
サイバーセキュリテ
...続きを読むィという場合には、どうしても技術的な面に考えが言ってしまう。この本ではサイバーセキュリティを巡るさまざまな面についてその全体像を描くことを主眼にした。
IOTの時代に突入しモノを通じて大量のビッグデータが収集・蓄積されそれを活用することで新事業が創出されたり経済的・社会的課題が解決されるようになってきている。こういう中ではサイバー空間への脅威が現実に深刻になってくる。この部分の解説は非常に参考になった。
企業にたいするサイバー攻撃の実態も描いている。日本ではサイバーセキュリティ人材が圧倒的に不足していること、経営層と現場をつなぐ部分で問題が存在することなど。
国際間でのサイバー攻撃に対する対応に於いて、米・西欧・日本などと中ロ・途上国間で考え方に大きな隔絶がそんざいすることを説いている。
インターネットは国境がない、国境を超えて流通する個人情報の保護と表現の自由との関連、フェイクニュースということばバズワードになっているような国際間で飛び交う偽情報の実態とそれを防ぐ方策に対する国ごとでの考え方の違いなども興味を惹いた。