カレル・チャペックの戯曲「白い病」を一気に読みました。
作家のチャペックはナチス・ドイツを痛烈に批判したチェコの国民的作家です。
また、ロボット という言葉を初めて使ったことでも知られています。
まず、この戯曲を読んで、すぐ頭に浮かんだのがナチス・ドイツまもとより、
スターリン時代のソ連、軍事政権下
...続きを読むの日本でした。
戦争・侵略を目指したこれらの国々では、軍事拡大を強力に推し進め、
自国民の優秀さを強調し、敵国を倒すためには一致団結しなければならない
という全体主義的な考え方を洗脳化してきました。
この戯曲はそうした状況の下にあるある国で
「白い病」という疫病が蔓延すというパンデミックが襲ってきました。
体の一部に白い斑点が出来、やがて身体を深く冒し死に至らしめるという
感染力の強い、未知の伝染病が蔓延してきたのです。
しかし特効薬を発見したという町医者が現れ、
特効薬も用いて下層階級の人びとを救いはじめました。
軍部では彼に協力を求めますが、
彼はその条件としてある事を条件として要求しました。
チャペックはこの作品を発表した翌年、肺炎のためこの世を去っている。
チェコスロヴァキアという国もナチス・ドイツの保護領となりました。
所で、コロナ過はまだ続いておりますが、
1918年から1920年にかけ全世界的に大流行したスペイン風邪は
1億人を超えていたと推定されており、
人類史上最も死者を出したパンデミックのひとつとされています。
しかし、日本の歴史の教科書(山川出版)にはその記載がありません。
当時、日本では人口5500万人に対し約2380万人(人口比:約43%)が感染、
約39万人が死亡したとされるにもかかわらずです。
1914年から1918年まで続いた第一次世界大戦で
日本軍が大陸に出兵したことは載っているのですが…