森田たまの作品一覧

「森田たま」の「石狩少女」「新粧」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 石狩少女
    NEW
    4.0
    1巻825円 (税込)
    明治末の北海道札幌、主人公・野村悠紀子は、文学を愛し、空を眺めることやリンゴ畑に出かけることが好きな女学生。彼女は人から多くの関心を持たれる一方で、偏見、勝手な噂、男子学生からの執着、決められた結婚、家族の無理解などに悩む。そんななか内地の親戚の家に行くことになるが…。北海道の自然も美しい、著者の半生を反映した1940年刊行の傑作少女小説。
  • 第三の火
    -
    1巻660円 (税込)
    滝村くみ子は、青森行きのみちのく号から水戸駅に降り立ち、東海村へと向かうが……。北海道初の女性作家、『もめん随筆』を書いた女性随筆家による傑作。
  • 新粧
    -
    1巻660円 (税込)
    新婚旅行に出かける香澄と晴彦。蛇のびっくり箱の悪戯に、電車の中は大騒ぎに。そこに居合わせた晴彦の知り合いの竹内と出会い……。北海道初の女性作家、『もめん随筆』を書いた女性随筆家による、若者たちの姿を描いた傑作。
  • としまあず
    -
    1巻660円 (税込)
    30代の女の盛りを楽しもうという、としまのぐるうぷの名誉会員・その子は、富士大学教授夫人の美女である。愛の充たされぬ夫との生活を過して来たその子にとって、熱烈なファンである新進オペラ歌手・柳瀬俊吉の愛の告白は、青春が再び甦り、女としての充実した時を予感させる快いできごとであったが……。虚構の物語の中に女性心理を追究した力作長編小説。
  • もめん随筆
    -
    1巻495円 (税込)
    精錬された教養と女性の優しい情感が、木綿の着物の肌ざわりのような懐かしい感触で漂う作者の随筆は、夜ごとの憩いのひとときに快く気持をくつろがせてくれる。作者の清潔な人柄のよさは随所にたゆたい、読者の魂は無言のうちに清く浄化されるのである。「東京の女・大阪の女」「芥川さんのこと」「七月廿四日」などの随筆46篇に、詩集「楊柳詩」より10篇を選んでこれに加えた。
  • 石狩少女

    Posted by ブクログ

    「本読む少女は生きづらい - 明治末の女学生・野村悠紀子の青春と苦悩。少女小説の傑作、待望の復刊!」との帯に惹かれて読んでみれば、何という名作!この手の本を眠らせておいて、本が売れないとか言っている出版社のなんと多いことか…

    冒頭「風が、土が、日光が、果実をそだてるとおなじように、その土地の少女もまた、うるわしい果実の一つとして成長する。」と詩的な文章で始まる本作は、明治末に北海道札幌で生まれた、一少女の成長物語。著者自身が幼少期を過ごした経験を踏まえた、半自伝的小説です。

    主人公の悠紀子は、文学が好きで、空を眺めていたり、林檎畑に出かけたるのが好きな女学生。しかし、当時は良妻賢母を良しと

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    2024年02月13日
  • 石狩少女

    Posted by ブクログ

    森田たまさんの復刊、手にとれてよかったです。
    明治という時代に良妻賢母になろうとは思わず将来学問で身を立てたいと思っていた悠紀子はこの時代では珍しかっただろうと思う。でも、いつの時代も周りがそうだからと合わせることなく、女性であるとか関係なく自分の道を自分で切り開く人が必ず1人はいるんだなと思いました。
    男性でも、女なんだから学問などしなくてもよしと考える人ばかりではなく土屋先生のように「あなたは必ず文章で身をたてる事のできる人です」と言ってくれる人もいて、この時代にそう言ってくれる人と出会えるのは稀だったんじゃないだろうか。
    フェミニズム的なものを感じました。

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    2024年04月21日
  • 石狩少女

    Posted by ブクログ

    「本読む少女は生きづらい」明治末の北海道で文学や自然を愛した著者の自伝的小説。文学かぶれして煩悶が何とか言うだけで不良少女とされ周囲の無理解に苦しむが、理解し背中を押してくれる存在にはどんなに心強かったことか。詩的な自然描写、揺れ動く感情の表現に酔いしれた。

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    2024年04月14日
  • 石狩少女

    Posted by ブクログ

    自伝的な中編。一八九四年(明治二七年)に札幌で生まれた女の子は文学少女となっていくが、その頃は文学や恋愛は不道徳なものであり、お裁縫に長けた姉と母に虐げられ、周囲の男たちからは揶揄われ、当時としては当然のことながら勝手に顔も知らぬ男を婿養子に迎えることを決められたり、と、散々な青春時代を歩んでいく。しかしそんな時代にもちゃんと理解者は現れる。それが主人公(というか森田たま)を勇気づけていく。正直いってあちこちなんだかなあと思う箇所はあるけれど、それは、今の時代に読むから思うこと。最後の一文には、現代に生きる自分も共感。姉との別れの場面はとても切なくも愛おしい。

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    2024年03月30日
  • 石狩少女

    Posted by ブクログ

    次は何を買って読もうか悩んでいた時ふと目に入った、誰かを待っているかのようにひっそりと置かれた純粋ながらどこか哀愁を漂わせる少女の表紙。
    すぐに購入して読み進めると、現代とは時代の背景がだいぶ異なるものの情景がすんなりと目に浮かぶような繊細な表現に引き込まれた。国木田独歩という小説家が度々登場するが、"独歩"というワードが、さまざまな人に囲まれた独りの少女の感情と重なっているような気がして個人的にお気に入りのポイント。
    終盤に書かれた、主人公と仲の悪い姉からの手紙は涙せずには見られなかった。何処か間接的な大人、女性への偏見、許嫁等が当たり前だった封建的な時代の苦悩(現代にも

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    2024年04月12日

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