渡辺万里の作品一覧

「渡辺万里」の「林檎の樹」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 林檎の樹
    3.9
    1巻451円 (税込)
    銀婚式の日、妻と共に若い日の思い出の地を訪れた初老のアシャーストの胸に去来するものは、かつて月光を浴びて花咲く林檎の樹の下で愛を誓った、神秘的なまでに美しい、野性の乙女ミーガンのおもかげ、かえらぬ青春の日の悔いだった……。美しく花ひらいた林檎の樹(望んでも到達することはできない理想郷)の眩ゆさを、哀愁をこめて甘美に奏でたロマンの香り高い作品。
  • 林檎の樹

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表現がきれいで場景の美しさに惹きこまれます。
    読む前にレビューをいくつか見て、主人公がとてもひどい男なのかと思いながら読んでいましたが、私はそんなに悪い人間とは思いませんでした。結果だけ見れば悲劇が起こってしまったけれど、別の選択をしていても果たして…?          心理描写もうまく、回りくどさや無駄がない。それなのに主人公の心情がよく伝わってくる。
    外国文学にしてはかなり読みやすかったです。

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    2019年05月22日
  • 林檎の樹

    Posted by ブクログ

    まさに傑作!
    現代においても色あせないテーマ設定に主人公の苦悩の描き方が抜群に上手い!
    ラストは山川方夫の『夏の葬列』を思わせる素晴らしい急展開だね~(こう書くとオチがバレてしまいそうだけど)。
    ちなみに国際ペンクラブの初代会長です。

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    2011年12月10日
  • 林檎の樹

    Posted by ブクログ

    昭和56年のこの新潮文庫(カヴァーは違っていたけれど)を読んだのが初めてだったと思う。月光を浴びて花咲く林檎の樹、その下で愛を誓う……、私にはこれ以上ないほどの愛の誓いに思われた。誓いは悲しくも果たされることがない。そのことがわかってもなお、林檎の樹は、その物語は、私にとって美しいもののように感じられた。私は若かったのだろうか……。

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    2011年07月19日
  • 林檎の樹

    Posted by ブクログ

    妻との旅行で立ち寄ったとある田舎で、男は若かった頃の恋を思い出す。そのように回想として始まる物語。

    これは…
    なんといっても田舎娘のミーガンが可愛らしい!主人公のシーツをくんかくんかしていた彼女にメロメロです(笑)声を出して笑ってしまいました。
    時に情熱的に、時にいじらしく、
    心を捕らえて話さない彼女の不思議な魅力に惚れてしまいます。都会に出てきて主人公を探す場面の悲壮感、胸がギリギリと痛むようでした。

    ミーガンが素晴らしく愛らしい女性であるだけに、身勝手な主人公にはイライラしてしまいます。彼の気持ちは分かるけど、やっぱり自分本意の言い訳でしかないんですよね。

    全編、主人公の語りではあり

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    2013年11月12日
  • 林檎の樹

    Posted by ブクログ

    美しく、悲しく、甘酸っぱい、林檎の匂いが漂ってくる物語。
    遠くまで主人公を探すミーガン、林檎の木の下でただずむミーガン。

    最期は、ハムレットのオーフィリアのようだった。

    0
    2013年06月19日

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