作品一覧
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3.9それはたった二人だけのチームから始まった! JR東日本のIC乗車券カード「Suica」は、会社はおろか鉄道インフラという枠も超え、生活インフラの変革までもたらした。最初は誰からも期待されていなかったこのプロジェクトは、いかにして成功していったのか。研究開発の頓挫、試験の大失敗、気の遠くなるような作業、重大事故……限りなく無謀な挑戦の裏にはいつも、“理想の一念”があった。ますます進化するSuicaを創成期から支えてきた著者が明かす、激闘の記録。 椎橋章夫(しいばしあきお) 1953年、埼玉県生まれ。1976年、埼玉大学工学部機械工学科卒業。同年、日本国有鉄道入社。1987年、民営・分割化により東日本旅客鉄道入社。本社設備部旅客設備課長、同鉄道事業本部Suicaシステム推進プロジェクト担当部長、同IT・Suica事業本部副本部長などを歴任、Suicaプロジェクトの指揮を執る。2012年、JR東日本メカトロニクス(株)(JREM)入社。現在、同社代表取締役社長。2006年、東京工業大学大学院(博士課程)修了。工学博士。主な著書に『自動改札のひみつ』(成山堂書店)、『Suicaが世界を変える JR東日本が起こす生活革命』(東京新聞出版局)がある。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
JR東日本でSuicaシステム推進プロジェクト部長をされていた方のSuica誕生秘話。
ベンチャー企業ではなく、極度の安全と信頼が求められる巨大インフラ企業でこうしたイノベーションが産まれたことが素晴らしい。
0.2秒の非接触信号処理やバックエンドシステムなどの技術的背景はもちろん、「タッチ・アンド・ゴー」のコンセプトやかわいいペンギンも含めたマーケティングなども興味深い。
Suica稼働初日や、Suica・PASMO・相互利用システムの一斉切替えなどは想像するだけで胃が痛いが、その日の詳細が書かれていないのは親切心か。
胸が熱くなる一冊でした。