西洋史をより深く理解したいと考えるなら、宗教に関する知識が不可欠ではないでしょうか。
特に聖書は、長きにわたり西洋の文化に深い影響を与えてきた書物で、この知識なしには、西洋の芸術文化の真髄に触れることはできないと考え、以前 旧約・新約聖書にチャレンジしてみましたが、とても読みづらく内容も分かりにくか
...続きを読むったせいもあり、途中で断念してしまった経験があります。(どうも聖書の書物としての構成がいまひとつ掴めなかった様です)
その後、聖書の内容を要約した本がないかと探していたら、この本に出会いました。
旧約・新約聖書の内容を物語風に語ってゆく内容で全八章からなり、最初の四章は、旧約聖書の物語、後半の四章は、新約聖書の物語といった構成になっています。各章ごとにノートといった形で、その章に関する知識を深めてくれるような補足説明があり、作者は前書きでノートは読み飛ばしても物語の内容には差し支えないとおっしゃっていましたが、個人的にはこれがかなり面白くより物語を楽しむのに役立ちました。
旧約聖書の物語は、神の天地創造から始まる古代人達の壮大な歴史絵巻が展開され、圧巻でした。
また新約聖書の物語は、物語の締めくくりに名作の誉れ高い小説「クオ・ワディス」の感動的なエピソードの一つを持ってくるところにセンスの良さを感じました。
年少者向けに書かれた本ですはありますが、大人が読んでも充分満足できる内容ではないかと思いますので、聖書の事が知りたいなと思う人には、特にお勧めの一冊だと思います。