ずーーーーーーーっと頭の中で考えていたことを整理するきっかけをくれた本。
本著で言う、「理性(古典)」的な考え方と「経験(ロマン)」的な考え方のどちらかが崇高なのではなく、両方のバランスが大切なんだなぁ、というのが私なりの結論。
自分の言葉で説明を試みるなら、前者は「ロジック」、後者は「フィーリン
...続きを読むグ」と例えることができるのではないか。
それはトップダウンの「西洋都市計画」と、ボトムアップからおこった「日本のまちづくり」に例えることもできると思う。
大切なのは、どちらか一方で十分なのではなく、両方の考え方の使い分けが必要なんだ、ということ。
日常生活で例えれば、計画性無しにその日暮らしで生活することは不安定だし、反対に社会生活の上で表面上の嘘をつくことが重要な場面もある。
要は、1か0かではなく、「何がベターか」ということなのだと思う。
著者はこれを、「クオリティ」と呼んでいる。
しかし、本文の中で唯一の疑問は、著者が次元としての「クオリティ」と、評価としての「いいクオリティ」をごっちゃにして、一つの「クオリティ」という単語で呼んでいるのではないか、という点である。
次元としての「クオリティ」の中には、当然「いいクオリティ」も「悪いクオリティ」も存在しているはずなのだ。
しかしそのことには触れられていない。。
ここまで哲学を突き詰めて考えてきた著者がそれに気付かなかったのだろうか。
それが出口のない迷宮に入り込んでしまった原因ではないか、とまで思えてくる。。。
どなたかご意見を求ム。