斉藤博昭の作品一覧

「斉藤博昭」の「リリーのすべて」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • リリーのすべて
    3.7
    1巻1,012円 (税込)
    一九三〇年代初頭、世界で初めて性別適合手術に成功したとされるデンマーク人画家の実話に基づく物語。女性モデルの代理を務めたことで自らの中に潜む〈女性〉に気づいたアイナーは、やがて〈リリー〉という女性として生きることを決意。妻はそんな夫を理解し、支えるが……。E・レッドメイン主演映画の原作。
  • リリーのすべて

    Posted by ブクログ

    かなり面白かった。私が思う「純愛」に1番近い話だと思った。グレタはアイナーの事を本当に愛してた事が伝わるし、アイナーもグレタの事を信じる事で、変わっていく自分を受け入れたのだと思った。単純なトランスジェンダーの話と油断していたが、結構好みの恋愛小説で驚いた。
    読み終わった後、アイナーの名前で検索をかけたところ、「インターセックス」や「性分化疾患」という言葉を知った。これらにまつわる問題はかなり複雑で、同じと捉えられやすいLGBTとは、問題視する論点が全然違う。そのような学びもあり、読んで良かった。

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    2024年05月11日
  • リリーのすべて

    Posted by ブクログ

    本書は、約90年前、世界初の性別適合手術を受けたとされる画家の実話を基にした物語。
     あるできごとをきっかけに、自分の中に潜んでいた“女性”に目覚める画家のアイナー。同じく画家の妻・グレタの絵のモデル“リリー”として過ごす時間が長くなるにつれ、リリーとして生きることを切望するようになっていく。グレタ
    は戸惑いつつも夫の変容を受け止め、支える。そしてアイナーは、ついに性別適合手術を受ける…。
     2015年、エディ・レッドメイン主演により映画化された。性別を超えた人の絆を感じる作品で、グレタ役のアリシア・ヴィキャンデルともども魅力的だった。 

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    2020年01月24日
  • リリーのすべて

    Posted by ブクログ

    妻グレダに感情移入してしまった為かリリーへと変貌を遂げていく夫アイナーの決断に少し苛立ちを感じてしまった。しかし、リリーは心が認識している人格(性)を「ありのまま」に生きようとしただけであり、体も女性として生まれていたらその選択も身勝手に思わなかったのかなと複雑な気持ちになった。精神と肉体の齟齬に苦しむリリーに私も心が侵食されそうになった。

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    2024年05月11日
  • リリーのすべて

    Posted by ブクログ

    「世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語」が2015年の映画化をきっかけに「リリーのすべて」として文庫本化。

    ネーミングセンスとしてはさて置いて、
    元の邦題のタイトルのままを文学的語っている。

    ただ、映画きっかけで読んだ私としては、
    この小説は映画「リリーのすべて」を序章とした
    大長編小説のように感じた。

    実在の人物を元に語られる物語で、
    その事実のキャッチーさが目を引くけれども、
    たっぷりとした文章で語られるのは、
    真にリリーになったアイナーと、
    アイナーの妻であったグレタの愛の軌跡。

    彼らの生き方や信念が、本当に本当に
    尊いものとして当時受け入れられていたなら、
    今の社会

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    2023年01月17日
  • リリーのすべて

    Posted by ブクログ

    アイナー/リリーとグレタ両人が「アイナー/リリー」の間で戸惑い揺れ動いてる様子がとても丁寧に描かれているという印象。
    グレタの庇護のもと成長したリリーという少女が、やがてはグレタから離れ、ひとりの大人の女性として独立する(そしてグレタも女性として新たに歩み出そうとする)お話かな。
    だから突き放されるようなラストが寂しい。
    グレタだけでなく、ハンス、カーライル、ヘンリクと理解者に囲まれた優しい世界のお話なんだけど、親離れ子離れのような寂しさと苦しみが切ないな。

    映画はひとを愛することに焦点が当たってるのでさらに優しい世界。泣きたいなら映画を見た方がいい。

    0
    2016年08月24日

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