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Posted by ブクログ
「世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語」が2015年の映画化をきっかけに「リリーのすべて」として文庫本化。
ネーミングセンスとしてはさて置いて、
元の邦題のタイトルのままを文学的語っている。
ただ、映画きっかけで読んだ私としては、
この小説は映画「リリーのすべて」を序章とした
大長編小説のように感じた。
実在の人物を元に語られる物語で、
その事実のキャッチーさが目を引くけれども、
たっぷりとした文章で語られるのは、
真にリリーになったアイナーと、
アイナーの妻であったグレタの愛の軌跡。
彼らの生き方や信念が、本当に本当に
尊いものとして当時受け入れられていたなら、
今の社会 -
Posted by ブクログ
アイナー/リリーとグレタ両人が「アイナー/リリー」の間で戸惑い揺れ動いてる様子がとても丁寧に描かれているという印象。
グレタの庇護のもと成長したリリーという少女が、やがてはグレタから離れ、ひとりの大人の女性として独立する(そしてグレタも女性として新たに歩み出そうとする)お話かな。
だから突き放されるようなラストが寂しい。
グレタだけでなく、ハンス、カーライル、ヘンリクと理解者に囲まれた優しい世界のお話なんだけど、親離れ子離れのような寂しさと苦しみが切ないな。
映画はひとを愛することに焦点が当たってるのでさらに優しい世界。泣きたいなら映画を見た方がいい。