友人を亡くしてから、自分が日々の人間関係の中で大事にしたいと思っていたことがまんま綴られていた。だけど実際としては、そうしたいのに毎日、自分の大事な人それぞれにできているわけではないから、いつも少しもやもやしてしまう。
詩が素敵なのは勿論だけれど、個人的に訳者解説のところの言葉が印象的だった。
「
...続きを読む愛する人を失った時、どんなに心を尽くしても自分の足りなさを歎かずにはいられない。それはもしかしたら、その人を忘れないでいたいという心の表れなのかもしれない。自分のためよりも、むしろその人の魂のために。
『誰が忘れても、わたしはあなたを忘れない。あなたの命の輝きを、あなたの笑い声を、涙を、ぬくもりを、みんなが忘れても、わたしだけは忘れない。あなたの魂は、決して孤独ではない』ーそんな思いで、その人の魂に必死につながろうとしているのではないか。できなかったことを後悔したくないという利己的な思いではなく、愛する人の幸せを心から祈る、清い思いゆえではないのか。」
このような考え方が出来るのは素敵だなと思ったし、これを読んで自分も解放された部分があった。
誰かを亡くしてしまったときや、日々が忙しく視野が狭まったときに、また読みたい。自分の中で大事にしたい一冊になった。