作品一覧

  • 二人のクラウゼヴィッツ(新潮文庫)
    4.3
    1巻880円 (税込)
    ナポレオン戦争も終結し、士官学校校長となったクラウゼヴィッツ。取り組んだのは『戦争論』の執筆だった。宮廷女官長を務めた聡明な妻マリーに、六つの戦場を語っていく――。見えてくる戦争の変貌と軍事の要諦。国民皆兵制か傭兵か、制限戦争か絶対戦争か……。戦争について問い続けた夫と、理解者だった妻。二人で成し遂げた〈名著誕生〉の舞台裏を描く画期的小説。『フラウの戦争論』改題。(解説・佐藤賢一 )
  • 静かなる太陽
    -
    1巻968円 (税込)
    明治三三(一九〇〇)年五月、清帝国では攘夷運動が激化していた。歴史上有名な義和団の乱である。駐在武官として北京に赴任した柴五郎陸軍中佐も否応なく、この内乱に巻き込まれていく。列強各国公使館地区を包囲する数万の敵。迎え撃つ連合軍は僅か五百足らず……。ここに五五日間にわたる、柴たちの地獄の籠城戦が始まった!
  • 信長を生んだ男(新潮文庫)
    4.3
    1巻825円 (税込)
    兄が猛虎になるなら、己は支える龍となる――。大うつけと蔑まれる信長のなかに、弟信行が見出した比類なき強者の資質と、猛虎の意志。だが真の覇者となるには、何かが決定的に欠けていた。兄の弱さに気づいた信行は、密かに身命を賭けた策に出る。すべては兄のために。信長の正室帰蝶を巻き込んで、信行最後の大勝負が始ま った……。定説を覆し、誰も描かなかった歴史の真実を摑む傑作。(解説・大矢博子)
  • 甲州赤鬼伝(新潮文庫)
    5.0
    1巻649円 (税込)
    その赤備え軍団は「戦国の伝説」となった――。十四歳の初陣で功を上げられず、父の介錯を務め首を切った山県昌満。心に深手を負い、若き頭領の重圧がのしかかる。だが馬鉄砲の腕を磨き、臣下の窮地を救った昌満は、赤備えの大将として復活。家康と、腹心井伊万千代を震え上らせる戦いを挑んでいく。権謀術数が渦巻く乱世で、最強の赤鬼たちは、いかなる光芒を放ったのか。鮮烈無比の傑作。
  • 二人のクラウゼヴィッツ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     とても素晴らしい読書体験をさせていただきました。作者の方にはとても感謝しております、ありがとうございました。
     私事で恐縮ですが、今まで10年くらい19世紀プロイセン・ドイツ史のオタクをやっており、その原点がこの小説の参考資料にも挙げられておりますドイツ参謀本部やクラウゼヴィッツ関連の伝記でありました。以来「こんなに面白い人たちなのに、小説の一冊も無いのかよ」と燻っておりましたが、この作品と出逢ったことでその気持ちも晴れた感じがします。
     内容も、参考資料を熟読した上で上手く調理された丁寧なものとなっていると考えます。時折、ここはこの本のどこのオマージュだなと思い出される部分があり、その元に

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    2022年09月06日
  • 信長を生んだ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    この本、この作者については書きたいことが多くて。まずは作者。とにかく素晴らしい。まず目のつけどころ。このタイトルから何を想像するか?全く分かりませんでした。これは信長の弟の信行が主人公。信長を題材にした小説が多い中、尾張統一前の若き信長の時代で、かつ信行が主人公というものは極めて珍しい。謀反を起こすことになる信行。前半は信長に敵対する信行、後半は必死で支えようとする信行、そんな信行がなぜ謀反を起こすことになったのか。そして最期を前にした信行の決意と覚悟には感動の一言!一気に信行ファンになりました。それにしても霧島兵庫の作品は熱くて面白い。さすがです。もっともっと書きたいことはありますが、歴史小

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    2021年11月20日
  • 信長を生んだ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     歴史小説というものをほとんど読んだ記憶が無いが、めちゃくちゃハマって一気読みした。そういう書き方ができるのだなぁと感心。信行の信長を思う言動に心打たれる。

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    2021年02月14日
  • 甲州赤鬼伝(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    武田軍の最強の赤備えを率いた山縣昌景が設楽ケ原の戦いで敗死した後、その最強軍を率いることになった山縣昌満の短いけれど輝かしい勇姿を描いた大作。本作の素晴らしいところは、父・兄の死の克服・復活から功績を挙げ、真摯に軍・国の建て直しに奔走し、非情な運命の中でカッコよく死んでいく姿を、簡潔に、然れどもラストは涙を禁じ得ないほど感情移入をしてしまう作者の作力である。

    昌満は父の遺言である「鬼となりて、名を、天下に」という言葉を自問し続ける。この意味を考える時、武田の没落の中にあっては、自らの戦功が却って虚しく響くことに気付く失意の場面は一つのポイント。最後の突撃において、その遺言、呪いと思っていた言

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    2020年05月06日
  • 二人のクラウゼヴィッツ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    面白かったです。
    『孫子』と並び、戦争に関する教科書の古典と言えるクラウゼヴィッツの『戦争論』。
    クラウゼヴィッツのこともですが、この『戦争論』が世に出るまでの経緯を全く知りませんでした。
    最初はライトノベルの様な筆致に少し馴染めなかったのですが、読み進めると内容は結構骨太で、知的好奇心が刺激されます。
    また、他の本でずっと気になっていた“ナポレオンはなぜあんなに強かったのか?”という謎が解けたのも、大きな収穫です。
    フランス兵のモチベーション、配下の元帥達の個の能力、重火器の使い方、そしてナポレオン自身の用兵の才能など、原因は複数ありますが、一つ一つの戦いから、それらが立ち昇ってくる様が見事

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    2024年01月07日

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